椀味不只淡 第12回

神田裕行の椀五十選 第12回 小さい頃にアスパラガスを食べた記憶がない。古代ギリシャでは2000年も昔から食用として栽培されていたらしいが、日本での最初の栽培記録は1924年北海道岩内町という所で、さらに一般的に栽培されるようになったのは昭和30年代後半とある。ふむふむ、要するに私と同じくらいの歴史というわけだ。  日本料理を標榜している身ゆえ、洋野菜の扱いには懐疑的なところがある。洋野...
- 2013年12月18日

椀味不只淡 第13回

神田裕行の椀五十選 第13回 日本料理の椀の世界観は「淡」であるべきだと思う。  そう言いつつも、ついついより美お味いしく、もっと美味しく、と思う自分がいることも確かだ。  「美味しい」の価値観は人により、年齢により、あるいは生まれた土地や国によってさまざまだが、昨今は日本の美味しいの価値観が西洋化しつつあると感じているのは私だけだろうか?  初鰹を喜んだ江戸っ子は、秋に脂をたっぷり...
- 2013年12月18日

Another side of Antwerp 栄光と凋落の狭間で

アントワープの歴史。それは光と影で縁取られた物語に等しい。この港町が紡いできた陰と陽の強いコントラストは、今日まで続く運命でもある。桟橋に立ち目を閉じると聴こえてくる太古からの幻聴。潮風が運ぶいにしえのマドロスたちの唄は何を語るのか。  赤一色と青一色の天使たちに囲まれた、異常なまでに白い肌と乳房。額の中で佇む聖母は、いかがわしいまでの妖婉さを漂わせる。正確には『聖母子像』と呼ばれるこの作...
- 2013年12月18日

京都アバンギャルド~楽園の夢を走る~

LEXUS GS 京都は常に時代の先端を走っている。それは京都が平安京として制定されて以来、文物の先進性が問われ続けてきたからだ。その結果、バームクーヘンのように、先端を走る文化は重層化され、アバンギャルドと伝統が一体となり、京都独自のモダニズムが生まれた。明治時代に京都で大きな夢を持ち、世界を舞台に活躍をした大谷光瑞のゆかりの地を、夢の結晶であるレクサスGS300hで走る。 Photo...
- 2013年12月18日

京都•紫式部と恋

「愛と死」とは文学の永遠のテーマである。 1200年以上前に、「愛と死」のアンビバレンツを見事にとらえ、 光源氏を軸に54帖の物語を展開する『源氏物語』を紫式部はなぜ書こうとしたのか。 この物語に自らの思いをどのように昇華させたのか。 それを探りに、平安の都へ旅に出た。 Photo Satoru Seki Text Junko Chiba 山の端の心も知らでゆく月は うはの空にて影や絶...
- 2013年12月18日

加藤智一氏が指南! グルーミング通信 Vol.81

真冬でも“活力ある男肌”を維持できる 5つの保湿法 「今年の夏は猛暑日が続き、残暑も厳しかったことから、肌は相当な紫外線ダメージを受けています。 すでに頬や身体のかさつきを感じている人も多いかもしれませんが、そうした乾燥感は小じわや肌あれを誘発するので注意が必要です。 肌や毛髪の状態は、あなたのライフスタイルを表すもの。パサパサと乾いた肌や毛髪では、仕事や私生活に余裕がない印象を与えて...
- 2013年12月17日

椀味不只淡 第14回

神田裕行の椀五十選 第14回 2010年6月、家族で潮干狩りに出掛けた。場所は家から1時間程度の千葉・木更津だった。家長でありながら子供たちに負けたくない、という狭い了見の父である私が、我先に手当たり次第に掘り返し、浅蜊のみならず、蛤までとれて大量となったまでは上機嫌だったのだが、いざ全員の収穫を合わせると結構な量となり、その後の下処理と調理が自分であることをふと思い出して、頭を抱えた次第...
- 2013年12月17日

ほっと心温まる小さな宿と、至極の楽園

海外のほっと心温まる小さな宿と、至極の楽園 ほんの1、2泊でも、日頃の疲れをほぐし、心身ともにリフレッシュさせてくれる日本ならではの宿、旅館。雰囲気のある浴場や、季節・土地柄を感じさせる郷土料理、優しくて魅力的な女将さんや旦那さん、そして森林や海といった自然に近い環境・・・そんな宿は国外にないのかな。ふと、そんな考えが頭に浮かんだ私たち。そこで今回はその自問に答えるべく、世界で見つけた「旅...
- 2013年12月16日

再び訪れる!?日本株の上昇局面

再び訪れる!?日本株の上昇局面 去る10月29・30日、米国で今後の金融政策の方針を話し合う連邦公開市場委員会(FOMC)が行われ、多くの市場関係者が予想していた通り、量的緩和の規模縮小開始が決定されることはなかった。どうやら、量的緩和の継続は以前の想定より長期化しそうであり、毎月850億ドル(年間にすれば1兆ドル超)という膨大なマネーが、今後数カ月間にわたってバラまかれ続けることとなるの...
- 2013年12月16日

不可思議な羊の正体 Vol.4

-生活-  大人が愛するYahoo!モバゲー“ひつじ村” 「モバゲー」と連呼するテレビコマーシャルが気になっていた人は多いだろう。「モバゲー」とは、DeNAが運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のブランド名。SNSは、2011年から爆発的に普及したツイッターやフェイスブックに代表されるインターネットのコミュニケーション・ツールだ。SNSとゲームを融合させた「モバゲー」は...
- 2013年12月16日

椀味不只淡 第15回

文・神田裕行(元麻布「かんだ」店主) Photo Masahiro Goda くどいようだが。  日本料理のおいしさは、出汁にこそあると思う。  お椀の一番出汁はもとより、野菜を炊いたり、おひたしを作ったり、炊き込みご飯を炊く二番出汁も含めて、やはり日本料理は“出汁"を味わう料理なのだ。  基本はかつお節と昆布の出汁だが、他にも干し海え老び、いりこ、昆布、乾燥椎しい茸たけなど日本は、出汁の...
- 2013年12月16日

The Poetry of Love and Death

『源氏物語』の時代、恋の時間は闇に包まれる夜であった。人々が寝静まるのを待って、男は女の元へ通う。闇の中で光源氏は、母の面影のある懐かしい姫、身分は違うが瞬時に恋をした姫、輝きだす前の原石のような姫などと次々と恋を重ねていく。恋の昇華は宝石の輝きにも似て、永遠に光を放つ。 VAN CLEEF & ARPELS 夕まぐれほのかに花の色を見てけさは霞の立ちぞわづらふ  北山の夕まぐれ、療養中...
- 2013年12月13日

食語の心 第8回

 またしても今秋、食品偽装問題が世間を騒がせた。著名なホテルグループのメニューに誤表記があったというのがニュースの発端。運営会社のトップが記者会見を開くまでの事態になったが、単なる誤表記だったのか、それとも意図的な偽装だったのか。真相は藪の中。多くの口の端に上ったのは、誰もが〈食〉に対して並々ならぬ関心を持っていることの表れと、興味深く事態の推移を見守った。  無論過ちは正していかねばなら...
- 2013年12月13日

食語の心 第7回

 食にまつわる話で、しばしば繰り返し話題になるのが〈最後の晩ばん餐さん〉。明日地球が滅亡すると分かったら、前の晩は何を食べたいかという設問。  滅亡前夜に、呑のん気き に飯など食ってる場合じゃないだろう、という野暮な言い草は抜きにして、僕なら迷うことなく鮨すし。支払いのことなど気にせず、名職人の握る江戸前鮨を思う存分堪能して、この世とおさらばしたい。そう言えば、多くが賛同してくれる。  ...
- 2013年12月13日

椀味不只淡 第16回

神田裕行の椀五十選 第16回 松茸の季節がやってきた。  丹波、京都産はもちろん、岩手、長野産も素晴らしい。杉花粉に覆われて劣勢ではあるが、日本の秋の味覚の王者はまだまだ健全であると願う。  炭火で焼いてすだちを搾り、口に含めば馥郁たる香りと芳醇な汁があふれ出す。松茸の真価はこの水分であり、しからば焼く場合は濡れ紙を巻き、水分を閉じ込めて焼く。煮物椀にする場合は薄く切り吸い地でさっと煮仕上...
- 2013年12月13日

椀味不只淡 第17回

神田裕行の椀五十選 第17回 人間は、思い込みの動物であると思う。  先日、実家でテレビ番組の撮影をしていた時、父が「私が三代目で、息子(私)が四代目です」と言った。  自分は三代目だからと思い込んで、30年料理をやってきたのにだ。  「三代目は家をつぶす」と世間にいわれてなるかと、がんばってきたつもりであったのに。まあ、50歳になった今にしてみれば、どうでもよいことでもあるのだが……。 ...
- 2013年12月12日

食語の心 第6回

 季節は良し。休みも取れた。さて、どこかへ旅にでも出るか。と、旅行の計画を練る時間は実に愉たのしい。まずは行き先を定め、アクセスを考え、そして宿を選ぶ。ここで道筋が二つに分かれる。ホテルか日本旅館か。  両者を比較しながら、大方の頭に浮かぶのは〈食〉ではなかろうか。どちらに泊まれば、より美お味いしいものが食べられるか。  総じてホテルの方が選択肢は多い。一定規模以上なら、和洋中とレストラ...
- 2013年12月12日

食語の心 第5回

作家 柏井 壽 何かと話題になる、食の口コミサイト。おびただしい数のレビューがアップされている。あるいはグルメブログと呼ばれる、個人の食ブログ。これまた数え切れないほどのブロガーがいて、日々その食遍歴を書き連ねている。これほどに食を語り合う国民が他にいるのだろうか。  食を語ると言えば、元祖とも呼ぶべきは文豪を始めとする作家と文人墨客たち。大作を生み出す合間の余技として、あるいは食専門と...
- 2013年12月12日

食語の心 第4回

 食べることにおいて、日本人ほど〈旬〉を大切にする国民は他に居ないだろうと思う。  〈旬〉。言うまでもなく〈出盛り期〉を言い、最も美味しく食べられる時期とも言い換えられる。さらには価格も安定し、相応の値段という利点もある。  年中食べられる食材であっても、季節によって呼び名が変わったりするのも日本ならではのこと。  例えば〈初鰹〉。春先。黒潮に乗って、太平洋沿岸を北上して来た鰹をさっぱ...
- 2013年12月12日

時代を読む――原田武夫 第9回

「ジャパン・ラッシュ」はもう始まっている 最近、東京の繁華街を歩いていると、とみに思うことがある。「ガイジン」がとても大勢歩いているのだ。繁華街だけではない。新幹線のグリーン車に乗ると、これまた「ガイジン」だらけということがよくある。  「アベノミクスに吸い寄せられてきたのでは?」と思われるかもしれない。だが私が知る限り、彼らは「アベノミクス」そのものに関心はない。事実上の口先介入のような...
- 2013年12月12日

不可思議な羊の正体vol.3

-歴史- 日本人と羊  野生種の起源をたどれば250万年前の氷河期に、家畜としての歴史をさかのぼっても紀元前8000~7000年にはなるという羊。  人類最初の文字とされるメソポタミア文字(前5000年)にはもう牛とならんで羊を表わす文字があったといい、前4000年までには西アジアのみならずヨーロッパ、北アフリカ、中国にも家畜化がひろまっていたというから、人類の歴史に羊は欠かせぬ存在だった...
- 2013年12月12日

椀味不只淡 第18回

神田裕行の椀五十選 第18回 もうすぐフランスの食育政策の催しである「味覚の一週間」が始まる。1990年からフランスで始まった味覚の教育イベントで、毎年10月の第3週に実施される。2011年からは日本でも本格的に開催されており、今年で3年目を迎える。  開催当時フランスでは、子供たちを取り巻く食文化の乱れが深刻な問題となり、次世代を担う子供たちにフランスの食文化をきちんと伝えようという思い...
- 2013年12月11日

椀味不只淡 第19回

神田裕行の椀五十選 第19回 日本の海には、3000を超える種類の魚がいて、そのうちの約500種が私たちの食卓に上るといわれている。この“海洋水産国ニッポン"を支えているのは、親潮といわれるほどプランクトンの豊富な冷たい海流と黒潮や対馬暖流といわれる暖かい海流が日本を取り囲み、各地でぶつかり合っていることだが、この海流の出合いはそのまま「かつお節と昆布」の“ 出逢い"でもある。  昆布の生...
- 2013年12月11日

椀味不只淡 第20回

神田裕行の椀五十選 第20回 「和食=日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まった。まずはうれしく、誇らしい。この機会に「和食」と「日本料理」について考えてみようと思う。  和食の「和」の起源をたどると、そもそも古来、我ら大和人は自分のことを「わ」と呼んでいたらしく、これに中国人が「倭」という字を当てはめ「倭人」と呼ばれたそうな。しかし「倭」という字は「人...
- 2013年12月11日

家の未来形がここにある トヨタホーム 「エスパシオLX」

次世代型という言葉が日常的になった今、家づくりも新たな時代に入っている。トヨタホームは未来に向けて、さらにワンランク上の家づくりを目指し、「エスパシオLX」を誕生させた。エネルギーを生み出す、介護に備えるといった機能はもちろん、デザインの自由さや美しさも次世代へ。この家は美しい未来をデザインする。 日本の住宅において、何をおいても重要視されるのは耐震性だろう。しかしもちろん要塞のような家は...
- 2013年12月11日

澄みわたる陽光と海風の国 西オーストラリアをゆく

Destination-1 Perth 世界一の美しさを誇る街、パースに遊ぶ WA―Western Australia―その州都パースを拠点に南へ、北へ。 プレミアムワインとの出会いを期して向かったマーガレットリバー、 思いもよらない大自然を求めて飛んだエクスマウス。 気ままな旅の日々はいつでも、インド洋から吹いてくる優しい風の中にあった。 Photo & Text Eri ...
- 2013年12月10日

椀味不只淡

神田裕行の椀五十選 第21回 先日、フランス公共放送局、フランス2のインタビューを受けた。和食のユネスコの無形文化遺産登録を受けてのルポらしく、ヘタでもいいからフランス語で答えてくれと言われて、いくつかの質問に答えた。抜粋する。 Q.  日本料理の定義はなんですか? A.  日本の風土が生み出した素晴らしい食材たちを、日本人の美意識と高い技術で調理したものです。 Q.  そんなに食材が素晴...
- 2013年12月10日

乾燥肌対策にお薦めの3つのスキンケアアイテム

英国発「Make It & Co」のオーガニックコスメ イギリス発の「Make It & Co」は、商品の約98%にオーガニック&ナチュラル素材、残りの約2%にオーガニックを超える“自生種"素材を用いた、パーソナルオーガニックコスメブランド。同ブランドから今月、日本限定商品を含む冬の乾燥対策に向けた3商品が登場。  12月に発売を予定している「プレミアムナイトクリーム」は、マッシュルーム...
- 2013年12月10日

夢の旅行案内人 コスモノーブルツアー

旅行に行きたいという気持ちはあっても、思い通りのプランはなかなか見つからないし、自分でプランを作るのは大変。ブッキングやチケットの手配など、さまざまな旅にまつわる面倒を、豊富な経験と知識で助けてくれるのが、「ノーブルツアー」のスタッフたちだ。 もうすぐ結婚15周年なので妻を誘ってどこかに行きたい。だが、お互い忙しくて旅行プランを立てたり、旅行代理店へ行く時間がない。そういえば以前、ゴルフク...
- 2013年12月10日

1日で歯の悩みから 解放される幸福 キュアデンタルクリニック

歯医者は何度も通うものであり、治ったと思えばまた別の歯が痛むもの。そんな煩わしい“常識”から解放してくれるクリニックがある。1日で歯周病の元を断つことを可能にした最新の技術。もう歯の悩みに時間を削られることはないのだ。 歯医者に行くのが大好きだ、という人はあまりいない。しかし完璧な歯磨きは難しく、歯周病の危機に多くの人がさらされている。 「歯周病はそもそも細菌感染なので、歯周病菌を根絶しな...
- 2013年12月10日

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