



(左)「海老とししとうの天ぷら×クリュッグ グランド・キュヴェ 167 エディション」。クリュッグの咲き誇る花や熟したフルーツのアロマ、ヘーゼルナッツやヌガーなどの複雑味のある風味をとうがらしのほどよい辛さが引き立て、ずっと食べていたくなる。(右)須賀洋介 スガラボ 優れた食材に出合うため、須賀洋介シェフは毎月、旅に出る。そしてそれぞれの食材に重点を置いた料理を作ることこそが、自らの使命だという。今回、「海老とししとうの天ぷら」で使ったししとうは、日本の農産物の40%を生産する高知県産のもの。種を取り除いたししとうがらしに、プロセッサーにかけた車海老と生クリームにトビウオの魚卵のトビコとエスプレットとうがらしを詰めてからりと揚げている。「とうがらしのほろ苦さやほのかな辛みが、クリュッグ グランド・キュヴェの味わいや香り、そしてきめ細かく上品な泡を引き立て、調和します。この料理を、ししとうが大好きで、来日すると必ず食べていた最愛の師、故ジョエル・ロブションさんに贈りたいですね。ロブションさんが気に入っていたとうがらしのタパスを、スペインでの休暇中に一緒に食べたのもいい思い出。クリュッグ ファミリーの一員として、このインスピレーションに満ちた食体験を共有できることを誇りに思います」(左)「ピキロスのコンフィ、赤ワインソース漬けのベリーを添えて×クリュッグ ロゼ 23 エディション」。クリュッグ ロゼの上品な熟成によるつやを赤万願寺とうがらしの色でも表現。ロゼのラズベリーやブラックカラントのアロマが素材のベリーと合う。(右)成田一世 スガラボ パティシエである成田氏が、とうがらしを使ったデザートを作るのは今回が初めて。だが、「従来の焼き菓子では使わない材料で実験をするのが好きなので、挑戦してみたいと思いました」と意欲的だ。素材を選ぶ時、成田氏はしばしば色を基準にする。「色はクロロフィル量などの科学的な要素で決まるのですが、味覚への影響もあります。だから、色彩が似た食材同士は合うことが多いのです」 そして、見た目を考えながら一皿一皿、精密なスケッチを作る。今回は、赤万願寺とうがらしに、クリュッグ ロゼを合わせ、とうがらしの三角形との対比に丸い皿を使った。「砂糖とバターで作った、皮をむいた種つきの赤万願寺とうがらしのコンフィと、クリュッグ ロゼをペアリングした時に生まれる味覚の融合が気に入っています。クリュッグ ロゼの時間を重ねた表現と泡立ちの洗練に焦点を当て、コンフィでも同じような古色を作ることで完璧な組み合わせが実現しました」
ハラペーニョ、カイエン、ピリピリ、タバスコ、パプリカ、とうがらし、ししとうがらしなど、世界中に広まるすべてのペッパーの祖先をたどるとメキシコに至る。オアハカ渓谷発祥のサポテカ文明では、紀元前7500年前からとうがらしが食されてきた。それから何千年もこの地のみで栽培され続け、1492年にようやくコロンブスによって発見され、世界中に伝播(でんぱ)することとなる。
オアハカは「7種のモーレ(ソース)の地」と呼ばれ、多彩なとうがらしの個性を使い分け、複雑な味と香りが多層的に絡み合うソースを生み出した豊かな食文化を持つ地だ。シェフたちはここで、朝日に神々しく照らされた、とうがらし畑を始め、あらゆるとうがらしが巨大な束でつるされる市場、伝統の石製のひき器でとうがらしをすりつぶすサポテコ族の家などを訪ねた。手作業でひいたとうがらしは、機械では失われてしまう繊細な香りが残るという。
現地の料理を味わい、生産者の声を聞き、時に熟したハバネロにかじりつきながら、シェフたちはペッパーの原点に触れ、想像を膨らませた。そして、廃はい墟きょの中にかつての華やかなガーデンパーティーの面影を感じさせるカーサ・オリゲンで、13人のアンバサダーがおのおのの儀式や手法を通して渾こん身しんの料理を生み出す、贅沢な競演が始まった。
焼いたり、蒸したり、冷製にしたり、薬味として使ったり。多種多様に変化するペッパーは、刺激的で、陶酔感を演出する、神秘的かつ魅力あふれる食材である。その個性を引き出すシェフたちの料理は、クリュッグによって高められ、互いに引き寄せ合い、両者の懐の深さと普遍性を証明することとなった。そして、料理、クリュッグ、旅を共にしたアンバサダーたちのつながりの中で醸し出された、至上の歓(よろこび)。これこそが、クリュッグを愛する人々をとりこにしてやまない真価である。
●MHD モエヘネシーディアジオ TEL03-5217-9736
オアハカは「7種のモーレ(ソース)の地」と呼ばれ、多彩なとうがらしの個性を使い分け、複雑な味と香りが多層的に絡み合うソースを生み出した豊かな食文化を持つ地だ。シェフたちはここで、朝日に神々しく照らされた、とうがらし畑を始め、あらゆるとうがらしが巨大な束でつるされる市場、伝統の石製のひき器でとうがらしをすりつぶすサポテコ族の家などを訪ねた。手作業でひいたとうがらしは、機械では失われてしまう繊細な香りが残るという。
現地の料理を味わい、生産者の声を聞き、時に熟したハバネロにかじりつきながら、シェフたちはペッパーの原点に触れ、想像を膨らませた。そして、廃はい墟きょの中にかつての華やかなガーデンパーティーの面影を感じさせるカーサ・オリゲンで、13人のアンバサダーがおのおのの儀式や手法を通して渾こん身しんの料理を生み出す、贅沢な競演が始まった。
焼いたり、蒸したり、冷製にしたり、薬味として使ったり。多種多様に変化するペッパーは、刺激的で、陶酔感を演出する、神秘的かつ魅力あふれる食材である。その個性を引き出すシェフたちの料理は、クリュッグによって高められ、互いに引き寄せ合い、両者の懐の深さと普遍性を証明することとなった。そして、料理、クリュッグ、旅を共にしたアンバサダーたちのつながりの中で醸し出された、至上の歓(よろこび)。これこそが、クリュッグを愛する人々をとりこにしてやまない真価である。
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