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食語の心 第76 回
 沖縄のホテルの食 2
作家 柏井壽
前回の続き、沖縄のホテルの食である。前回ご紹介したのはエンターテインメント性の高い、音楽をテーマにしたホテルだったが、今回ご紹介するのは、正統派の沖縄ビーチリゾートホテルである。
 沖縄本島で、ビーチリゾートホテルが集中しているのは、多くが西海岸であり、なかでも恩納村周辺は密集地帯とも言える。
 沖縄本島の背骨でもある、国道58号に近く、アクセスが便利ということもあるが、その天候が安定しているというのも、ビーチリゾートホテルが立ち並ぶ理由でもある。
 沖縄ほど天気予報があてにならない土地は他にない。一日中雨の予報だったのに、一滴も降らずに晴れ渡っていた、という経験も一度や二度ではなく、もちろんその逆もある。
 だが、総じてお天気に恵まれるのは西海岸のほうだ。天気予報がたいてい、いいほうに外れる。
 2018年8月にオープンした『ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド』。実はオープンして間なしに、このホテルを目指す旅を計画していたのが、オープン1カ月後の台風で大きなダメージを受けたと聞き、やむなく延期していたのだ。
 その健在ぶりを知ったのは、本誌である。ホテルレストランの充実をはかり、これまでの沖縄にはなかった料理を提供すると記事にあった。
 それがどういうものかといえば、沖縄料理をベースにした炉端焼きだというのだ。それも料理監修を、本誌でもおなじみの神田裕行氏が手掛ける。
というのだから、何をおいても食べてみたいではないか。
 沖縄料理に限ったことではないが、とかく郷土料理というものは、型にはまりすぎてしまい、ワンパターンになりがちである。ともすればやぼったくなってしまう郷土料理だが、さりとて、その地方に行けば食べずにおられないのも、旅人の人情というものである。
 いつも本誌で拝見する神田さんの料理は基本に忠実ながら、創意工夫のあとが見てとれる、実に魅力的なものばかりだ。その神田さんが手掛ける沖縄料理とは、はたしていかなるものなのか。
 料理の前に、まずはホテルの紹介をしておこう。
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