
大地と月のあいだ
Photo Masahiro Goda
Text Nile’s NILE
Text Nile’s NILE
エスキスのエグゼクティブ シェフであるリオネル・ベカが、初めて能登を訪れたのは、つい3カ月前のこと。だが、輪島塗の塗師(ぬし)である赤木明登氏から、郷土史家や寺の住職、地元の料理人や農家、漁師を紹介してもらい、たった数回の訪問で“能登”の奥深いところまで一気に踏み込んだ。リオネルにとって、その時間は濃密であり、新たな発見ばかりだったという。この地で出会った料理人と、能登の食材、そして赤木氏の漆器とで紡いだイベント「大地と月のあいだ」。1月18日~ 20日の3日間、冬の日本海を望むハイディワイナリー カフェ&レストランで開催された。
このイベントは、リオネル・ベカが感じた能登を、料理で表現するというもの。能登の食材を用いて、能登を知り尽くした料理人たちとともに一つのコースを作り、それを赤木明登氏の輪島塗の漆器で供する。つまり、自身以外すべてが〝能登産〞でというイベントだ。そこでリオネルは、能登の料理人や生産者と会い、地元の歴史や文化に触れ、厳しくも豊かな自然環境を体感した。


(上)日本海を見下ろすという美しいロケーションに立つハイディワイナリー。石川県輪島市門前町の千代エリアに、葡萄畑、醸造所、カフェ&レストランを備える。エスキスのエグゼクティブ シェフ、リオネル・ベカを始め、総支配人の若林英司氏、厨房(ちゅうぼう)やホールのスタッフまでやってきて、輪島塗の塗師、赤木明登氏や、地元の料理人たちとのスペシャルコラボレーションイベントを開催した。まずはハイディワイナリーのスパークリングワイン「ソーヴィニヨンブラン エキストラ ブリュット 2017」でスタート。
(下)ALCHIMIE 詩的な錬金術 椎茸、貝と豚
値段も味も松茸以上といわれる、肉厚な原木椎茸「のと115」を主役にしたリオネル・ベカのひと皿。輪島市、珠洲市、穴水町、能登町などで主に栽培されている「のと115」は、県内の限られた地域にしか出回らない。この椎茸を豚の耳の煮汁でゆっくりとポシェし、下には豚の煮汁と干し椎茸のブイヨンを煮詰めた濃厚なソースが敷いてある。能登島で採れたわかめを上にのせて。海のものと山のものを融合させた、香り豊かな料理には、椎茸の旨みを引き出す、すっきりとしたミネラル感のある「ルーテージブラン ブレンド 2017」(ハイディワイナリー)を合わせた。
(下)ALCHIMIE 詩的な錬金術 椎茸、貝と豚
値段も味も松茸以上といわれる、肉厚な原木椎茸「のと115」を主役にしたリオネル・ベカのひと皿。輪島市、珠洲市、穴水町、能登町などで主に栽培されている「のと115」は、県内の限られた地域にしか出回らない。この椎茸を豚の耳の煮汁でゆっくりとポシェし、下には豚の煮汁と干し椎茸のブイヨンを煮詰めた濃厚なソースが敷いてある。能登島で採れたわかめを上にのせて。海のものと山のものを融合させた、香り豊かな料理には、椎茸の旨みを引き出す、すっきりとしたミネラル感のある「ルーテージブラン ブレンド 2017」(ハイディワイナリー)を合わせた。