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醸造所を斜面に配置し高低差を設けることで、ポンプによる移送をせず、自然に流れ落ちる重力を利用して行う昔ながらの製法をとっている。そのための工夫が建物内の随所にある。目の前の畑で手摘みした葡萄を醸造所の1階へ運び、除梗や圧搾をして地下1階のタンクで発酵、その後フレンチオークたるで地下貯蔵庫で熟成させる。
「畑の広さは3・6ha。内40%がシャルドネで、あとピノ・ノワール、メルローを各30%栽培しています。ここは戦後50年、耕作放棄地だったところで、戦前は桑畑でした。桑の根を取り除くのが大変なうえに、伸び放題の雑草を野焼きしながら整地し開墾したので、一気に畑にできなかったのです。2007年に目の前の斜面から植樹を始めて、2009年にすべてを植え終わりました」
 醸造所の目の前、斜面に広がる畑は通称「猫の足跡畑」。池野さんが最初にこの土地を見に来た時に、猫の足跡があったことに由来する。
 さっそく畑に出た神田さんは「葡萄の木の間隔がけっこう広い。ヨーロッパだと間にもう1列入りますね。池野さんのこだわりですか」と質問を向ける。「雨の多い日本ではあんまり密植すると風が通らなくて、病気になりやすいのです。確かにブルゴーニュだとこの3倍くらい密植してます」と池野さん。樹林さんは「先日ニュージーランドのワイナリーを視察しましたが、収穫を機械化している畑がほとんど。でも日本のワイナリーの大半は、生産者が手間ひまかけて葡萄を育てています」と早くも“ワイン談議"がスタートした。
八ヶ岳のふもと、標高750mに位置するドメーヌ ミエ・イケノでは、化学肥料や除草剤を使わずに3.6haの畑でシャルドネやピノ・ノワール、メルローの3品種を栽培している。剪定した枝や幹も畑で堆肥化する資源循環型農業を行う。
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