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2017年8月に店舗をリニューアル。ガラス越しに厨房(ちゅうぼう)を見ることができる造りに。壁の石の質感も印象的な、洗練とナチュラルが調和した雰囲気に一新。ランチは外光が入るのどかな空気感、ディナーはシックで落ち着いた空間に変わる。
より自分が食べたいものを作る
近年、「より自分が食べたいものを作るようになった。その傾向が加速しています」と話す。オープン当初の14年前は、現代性を追求する本多氏であっても「イタリア料理はかくあるべし」「伝統から外れてはいけない」という心理的ブレーキから完全に自由というわけではなかった。「でも、今はもっと自分を信頼しています。好きなもの、今注目しているものを追っても、イタリア料理の看板と矛盾しないものを作れる自信がある」と胸を張る。
 時代も変わった。
「冷たいパスタにしても、もともとイタリア現地にはないものです。日本で独自に発達したと言ってもいいでしょう。でも、今ではイタリア本国でも現代的な表現に挑むシェフは冷たいパスタに積極的です」
 日本の料理人への注目度も高い。
「海外のお客さまは特に、『イタリア料理を日本人がどうアレンジしたか知りたい。それを食べに来ているんだ』とおっしゃいます」
 自身の心境の変化に加え、こうした状況にも後押しされ、本多氏はより柔軟かつ素直に日本らしさ、自分らしさを追求するようになった。
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