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嵐山の渡月橋横から、船で大堰(おおい)川を15分ほど上った場所に立地。豪商、角倉了以(すみのくらりょうい)の住居を引き継ぎいで整えられた空間には、全25室の離れ形式の客室や庭が点在する。情緒豊かな造りである。
現代性と伝統の融合、新境地へ 星のや京都
Text Izumi Shibata
風光明媚な地として、平安の昔から貴族たちもめでてきた嵐山。中心地の渡月橋から船で15分ほど川を上ると「星のや京都」に到着する。

多様性を楽しむ懐石
 同館滞在の山場と呼べるのがダイニングでの夕食、料理長の久保田一郎氏が作り上げる「五味自在の会石料理」だ。
 日本料理のベースに、時折モダンガストロノミーの要素が取り入れられる。例えば先付の「里芋饅頭(まんじゅう)」では、蒸しアナゴを射込んで冬の出合いの食材の滋味を表現し、上にユズのフォームをのせてうるおいと爽やかな香りをプラス。八寸では、シックな皿に伝統的な和食の仕事を施した品々が端正に並ぶ。一方、向附(造り)は華やかな見た目も、味の構成の立体感も、モダンフレンチと見違えるような品。さっとあぶったサワラに赤蕪甘酢漬けのみじん切りと大根おろしをのせ、酸味のジュレ、特製醤油を添える。
 このように一品に和洋を混在させることもあれば、一皿ずつ和か洋のイメージに振りきることもある。さらに土瓶蒸しや幽ゆう庵あん焼きなどの定番の品でも、出汁や漬け床などの土台部分に独創的な工夫が加えられる。
 「『五味自在』というテーマに込めた意味は二つあります」と、久保田氏。「『五味』は日本料理の基本。基本重視の心を大切にという意味が一つ。もう一つは『五味』を『あらゆる味』と解釈。『多様性を常に意識していたい』という思いも込めています」
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