
太い枝に大きな実をつけているのが、この地域でしか甘くならないという花御所柿である。しかも、八頭町の柿農家の岡崎昭都さんの家で代々守ってきた樹齢100年のものだ。この時期に花が咲いたように美しく実る。
樹齢100年の花御所柿
鳥取県の東南部に位置し、北および西は鳥取市、南は智頭町、東は若桜町(わかさちょう)に接する八頭町(やずちょう)は、2005(平成17)年に、郡家町(おこげちょう)・船岡町(ふなおかちょう)・八東町(はっとうちょう)が合併して誕生した。周囲には扇(おうぎ)ノ山(せん)など 1000mを超える山々に囲まれる町は、これらを源流とする大小多数の河川が合流して八東川となり、千代川を経て日本海に注ぐ。こうした河川の流域に集落が形成され、地形を生かして古くから農林業が盛んだ。そんな町の木は柿である。その通り、昔から柿の生産が盛んな土地なのだ。
八頭町の柿農家の4代目、岡崎昭都(あきと)さんの自慢は、樹齢100年の花御所柿の木。太い幹から伸びる枝が大きく広がる姿は、まるでアート作品のようである。
「やっぱり若い木よりも、古い木のほうが味は抜群です。この100歳の木の柿もとても旨みが強い。ただ、老木になると4割くらいが実の表面に黒い斑点や、へたの割れができたりと、JAでは規格外とされて出荷できません。味はピカイチなのに捨てるしかなくてもったいないんです。今年からはドライフルーツとかバキュームフライにして加工を試験的に始めています」
祖父と同じだという100歳の老木を愛してやまない岡崎さんからは、柿への愛情、そして柿農家としてのプライドを感じる。
一方、花御所柿を初めて見たシェニョンさんは、熟して落ちてしまったものを拾い上げ、その香りを嗅ぎながら「熟した実のほうが甘くておいしいと思う。糖度が高いから、ペーストにしたり、フランス菓子のパート・ド・フリュイにするのがよさそう」と岡崎さんにアドバイスした。
八頭町の柿農家の4代目、岡崎昭都(あきと)さんの自慢は、樹齢100年の花御所柿の木。太い幹から伸びる枝が大きく広がる姿は、まるでアート作品のようである。
「やっぱり若い木よりも、古い木のほうが味は抜群です。この100歳の木の柿もとても旨みが強い。ただ、老木になると4割くらいが実の表面に黒い斑点や、へたの割れができたりと、JAでは規格外とされて出荷できません。味はピカイチなのに捨てるしかなくてもったいないんです。今年からはドライフルーツとかバキュームフライにして加工を試験的に始めています」
祖父と同じだという100歳の老木を愛してやまない岡崎さんからは、柿への愛情、そして柿農家としてのプライドを感じる。
一方、花御所柿を初めて見たシェニョンさんは、熟して落ちてしまったものを拾い上げ、その香りを嗅ぎながら「熟した実のほうが甘くておいしいと思う。糖度が高いから、ペーストにしたり、フランス菓子のパート・ド・フリュイにするのがよさそう」と岡崎さんにアドバイスした。