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フランスビュルゴー産の豚肩ロース 藁で炙り山椒だれ
 時を超えて現代で「和風」といえば、西洋の文化に日本的なものを取り入れたものを指し、「和食」といえば日本料理のカジュアルなものという印象だ。つまり「和」の定義は「どこか日本的なもの」というわけだが、どこか純血ではない複合文化のニュアンスが漂う。ここに何か釈然としないものを感じてきた。
 ところが「和」の定義を「われわれの」に戻して置き換えると、たちまち納得できる。私たちは西洋建築に住み、洋服を着て、畳のない暮らしをしているのが現状で、日頃食べているものも、餃子やハンバーグといった複合文化の和食である。 「和」はやはり常に「われわれ」を表している。そして和には調和させる力があり、時代を取り入れ変化している。タラコを使った和風スパゲティ、ポン酢で食べる和風ハンバーグ、味噌を使った和風グラタンと和風料理は枚挙にいとまがない。
 日本人は自分たちの言語にカタカナの外来語を合わせて、日常の生活をするように、これらの複合文化を楽しみながら変化させてきた。日本人は文化の融合、つまり「和」に長(た)けた人種であることに間違いはない。
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