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胡麻豆腐 雲丹 蓴菜 枝豆 マイクロトマト
神田裕行 真味只是淡
第二十三回
Photo Masahiro Goda
「夏を旨とすべし」
 兼好法師の徒然草にある一節だが、原文は「家のつくりやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる」とあり、これは空調設備のない鎌倉時代に、家を建てるなら暑い夏向きのしつらえにするか、寒い冬に適したしつらえにするのかの議論に対する答えである。兼好法師は「冬の寒さはなんとかしのげるが、夏の暑さだけはどうにも我慢できない」というわけだ。
 これは一見、住まいの建て方の意見のようであるのだが、実は日本人の性質をよく表しているのではないかと思う。
 日本人は昔から住まいに限らず、暑苦しいのを嫌い、涼やかあるいは、さらりとした風情をめでてきた。
 徒然草の続く節にも「深き水は涼しげなし、浅くて流れたる、遥かに涼し」とあるように。この日本人独特の
感性は、いたるところで見られ、人間関係においては、暑苦しいはウザイとなり、味わいにおいても「濃い」は決して褒め言葉にはならない。
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