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「ようけ(たくさんの阿波弁)取れたら値段が下がるけん、家で食べるんやけどな、ウロコとるのん面倒くさい」と、笑ってらしたが、ウロコがクリスピーで中の身がふわふわ。やはり、名産地にはすごい料理があるなあと感動した。
 料理人の料理は、失敗のできない料理だ。たいていの店では、お客さまの人数分しか仕入れないから、あまり冒険をしない。この鯛の丸焼きの料理は、きっといくつもの失敗の上で成り立ったものであるのだろう。研究のための食材と時間を、もっともっと取らねばと痛感した。
 18歳で大阪の割烹(かっぽう)料理店に修業に出て、22年の歳月を経て独立したのが40歳。IT長者に言わせれば、バカの典型ということになるが、私にはそれだけの時間がやはり必要であったし、まだまだ学ぶことの多い日々である。
鳴門鯛丸焼きを筒切りに たっぷりの木の芽とともに
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