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鯛の白子とホワイトアスパラガス、空豆の黄身あん添え
日本の陶磁器の中でも、京焼は色絵も華やかで、日本料理のシンプルさを引き立てることに長(た)けている。私のイメージでは、華やかな料理には備前焼や唐津や益子(ましこ)のシンプルさが似合い、シンプルな料理には京焼、伊万里、九谷のような華やかな器が好ましい。
 無論これは一般論で、例外があることはなはだしく、またその例外こそが、粋であることも多いのではあるのだが……。
 この時期の鮑は、春の若布(わかめ)を食べて急激に大きくなるが、おそらく急成長のせいか、蒸し鮑にすると縮みが激しく、塩味が勝つ。初夏の鮑は、もち粉でカラリと揚げて、外側はクリスピー、中はレアで食感と味わいの対比を楽しむ。苦みのある肝は、余分な内容物を除いて霜降りにし、甘だれに小一時間ほど漬けた後、同じように揚げるとよい。魯山人原案の鮑皿によく似合う。
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