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格子の模様が特徴的な、鳥取民藝美術館の内部。美術館では日本を始め中国、朝鮮半島、西欧など約5000点の民藝品を収蔵している。
また吉田は民藝運動のほか、地元の貴重な文化財の保存運動にも奔走。1954(昭和29)年に「鳥取文化財協会」を設立し、鳥取砂丘の天然記念物指定、仁風閣の保存、湖山池(こやまいけ)の保護など、地域の自然や歴史を守る活動にも尽力した。
 驚くべきは、吉田はこういった活動すべてを医師という本業の余暇に行っていたということだ。昼間は耳鼻科医として通常の診療にあたり、夜や日曜にさまざまな活動をしたという。吉田は晩年こう振り返る。
「私にとっては、民藝の心で医者の生活をしているので、二兎でもなく一つなのです。(中略)そういう美しさに日々接触して暮らすことは、人間もまた民藝品のような生活を帯びた人間に形成されるであろうことを信じているのです」
 民藝品に宿る、実直で素直な美。その美しさは、自分の信念にただ忠実で無心であった吉田自身の姿にも重なるのである。
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