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時代を読む――原田武夫 第100回
原田武夫
何が決まらなければ「負の連鎖」は止まらないのか
我が国においては「COVID-19」と呼称される、新型コロナウイルスによる疾病の感染者数が実に驚くべきほど減少してきたと、この原稿を書いている段階(2021年10月末)においては喧伝されている。実に「驚くべき」ほどの減少ぶりなのであって、あれほどまでに「我が国でも死者は数十万人に上ることになる」と恐怖シナリオを煽りに煽っていたマスメディアは一気に沈黙を守り始めている。あまりにも滑稽なこうした方向転換に、見る側・聞く側である私たちは全くもってあきれるばかりなのだ。

 ところが、である。我が国を離れて地球の裏側においてはどうかというと、全く違う光景が広がり始めている。筆頭格なのが世界に先駆けて行動規制を解除した英国だ。桁外れの感染者数増加が日に日に報じられるようになり、事態は明らかに急迫しているように見える。それと同時にそもそも「ワクチンが行き渡らなかった」との懸念が語られていた東欧諸国でも感染者数が再び指数関数的に増え始めている。特に状況がひどいとされているのが東欧の中でも貧困問題で知られる国の一つであるルーマニアである。かつてチャウシェスク大統領の独裁に苦しんだかの国の市民たちは今、再び襲い掛かり始めたパンデミックに苦しみ始めているのだという。
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