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季節の味をモダンに表現
そんな谷が季節を感じるのはほぼ100%食材から。
 「10月にフランスからジビエが入ってくると『あぁ、秋だな』と思う。11月に日本で狩猟が解禁になれば、秋本番。その後はすぐにノエルで、年が明ければまたジビエ。それが終わると春の白アスパラガスと子羊。そのあとはすぐに夏休み、ほどなくしてまたジビエ。これが僕にとっての季節の一巡。思い入れのある季節や素材は、今の料理人としては少ないかもしれません。仕込みと掃除にめいっぱい時間をかけているから、頻繁に産地に足を運ぶ余裕もないですし……」
 一方、一個人としては秋はおしゃれが一番楽しい時期、と谷は言う。還暦を超えても徹底した現場主義で、生活時間のほとんどを厨房(ちゅうぼう)で過ごす谷だが、それでも重ね着ができて、コートを着なくてもいい秋の季節はおしゃれを楽しむ。そんな根っからの“料理好き"、かつ都会人にしてスタイリッシュな感覚は、谷が作る料理にも反映される。
Foie Gras
食材にゼリーをかける古典料理「ショーフロワ」をフォアグラで。ビーツと根セロリの色鮮やかなゼリーを添えた。フォアグラにかかるジビエのジュレの、凝縮した味が深い印象を残す。
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