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Le Mange-Tout 谷昇(たに・のぼる) 1952年東京生まれ。六本木「イル・ド・フランス」を経て1976年、1989年の2度フランスで働き、三つ星「クロコディル」(アルザス)などで修業。帰国後、「オーシザーブル」などのシェフを経て1994年に「ル・マンジュ・トゥー」をオープンする。2006年に改装オープン、2007年よりミシュラン二つ星を8年連続で獲得。10月には『ル・マンジュ・トゥーの全仕事』(柴田書店刊)が発売。長年研鑽を続けたクラシックな技術をベースに、今もなおモダンな感覚を料理に反映し続ける。
走り続ける料理人
季節を語る
Photo Masahiro Goda
Text Izumi Shibata
谷昇、63歳。料理の道に入って45年を経てもなお、現場で挑戦を続けるまれな料理人だ。ただし挑戦といっても「新時代を開く」というものではない。谷が目指しているのは「深さ」であり、流行からは距離を置く。と同時に、次々に生まれる「時代を象徴する若手」から技術を教わる謙虚さ、貪欲さも持つ。そんな「超越」と「流行」をバランスよく併せ持つ谷は、現代フランス料理のキーワードである「季節」をどう捉えているのか? 谷らしい料理で応えてくれた。
「僕は生まれも育ちも東京。だから身体感覚としての季節感は、とても弱いんです」と谷は話す。「同世代の地方出身のシェフ仲間は、『秋といえば紅葉とキノコ狩り。空気が変わると山の色が変わって……』とか『筍(たけのこ)の香りをかげば、春の田んぼとあぜ道の風景が脳裏に浮かぶ』なんて言うけれど、僕はそういうのがない。小学生の時から部屋にこもってビートルズを聴いてましたから(笑)」
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