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さらに、定評のある土鍋ご飯も熟成の考えによって作られている。魚沼産のコシヒカリを研いだ後、冷蔵庫で4~5日間寝かせることで、中まで水分が浸透。さらりとした食感で、均一の硬さに炊き上がり、米本来の旨みを最大限に引き出してくれる。1杯目は炊きたてをそのまま、ふたをずらして蒸らした2杯目は少し食感が変わり、さらにおこげまでと多彩な変化が味わえるとあって、普段和食のコースでご飯物を食べない人も「小熊」では、お代わり必至だという。10月中旬からは新米が登場する。
 そして、椀(わん)の代わりに小鍋仕立ての逸品を提供するのも「小熊」の大きな特徴だ。和食ではコース前半に椀が出されるのが一般的だが、小岩氏は「コース前半の汁物は、お酒の邪魔になるから」と客の立場で考え、あえて最後に椀物を出している。日本料理ならではの食材である鱧やスッポンに加え、秋からは甘鯛の酒蒸しが登場。上品な出汁の香りと共に立ち上る湯気に、ぐっと食欲がかき立てられる。
 11月からは、昨年も好評を博したジビエがスタート。真鴨(まがも)、シギ、キジ、鳩はと、鹿など、多彩な素材が小岩氏の手によって、和食のコースにふさわしい姿となって出される。
(上)迫力ある大きさの甘鯛は、上品な出汁の旨みが染み込んでいる。松茸、九条葱、水菜を添えて。紹介している料理はいずれも32,400円のコースの一例。
(下)カウンターにある焼き場でゆっくりと火を入れて仕上げる和牛の炭火焼き。この日は、青森県産「北の里自然牛」のサーロイン。
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