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紹介する「銀座くろまめへしれけーき」も、料理同様に和とも洋ともとれる逸品。クリーミーな口当たりと、芳醇な香りの「エシレバター」にほれ込んだ添野氏が、和の食材と組み合わせて提供したいと思ったのが始まりだ。合わせる食材として選ばれたのは、おせち料理にも欠かせない縁起物の黒豆。丹波地方で生産されている、大粒で薄皮のものを厳選している。重量のおよそ半分は黒豆が占めるほど、惜しげもなく使う。卵は、山形県の山田ガーデンファームの新鮮な「朝採り紅花生たまご」を採用。山形県花で、抗酸化作用がある紅花を餌にして、豊かな自然の中で育ったニワトリが産む卵はコクがあって濃厚な味わいだ。また、一般的なケーキのレシピでは使用しないアーモンドプードルを入れることで、豊かな香りを添えている。いずれも妥協のない極上の食材ばかり。
「一般的なレシピでこれらをそのまま混ぜ合わせると、水分量が多くて分離してしまうので、時間をかけつなぎ合わせるように生地を混ぜていかなくてはいけません。ふっくらやわらかく煮た丹波黒豆も水分を多く含むので、一粒ひと粒、手で並べています。160℃でおよそ1時間かけてじっくりと火を入れるのもポイントです」と添野氏。驚くほどにしっとりとした口当たりは、この丁寧な工程の賜物なのだ。希少な原材料と手間暇かかる工程を経て、ようやく完成にたどり着くため、1日20本が限界というのもうなずける。
 いただく時にはぜひ2~3時間前に冷蔵庫へ。冷やすことで、よりしっとり感が増し、バターや黒豆の風味が際立つ。コーヒーや紅茶はもちろんだが、ワインとの相性も素晴らしい。「アメリカの固有種であるジンファンデルの赤ワインと相性抜群です。しっかりとした味わいが、ふっくら煮た黒豆に寄り添い、バターにも負けない存在感があるからでしょう」と話すのは、チーフソムリエの渡邉光一氏。
 和と洋の珠玉の素材が織り成す焼き菓子。その至福の口当たりと風味を、ぜひグルメな方へのギフトに。
(左)プライベート感を大切にした個室。洗練された内装やインテリアに加え、北野武監督のアート作品を鑑賞しながら食事ができるのも魅力である。
(右)プリザーブドのコケが印象的なカウンターで腕を振るう料理長の添野充広氏。
料理はコース14,040円から。9月より8,640円の昼のコースもスタート。和の真髄を大切にしながらも、柔軟な発想で進化を遂げる日本料理店。

●銀座くろまめへしれけーき
1本350g 6,264円(1日20本限定)。購入は電話もしくはインターネットで。
フリーダイヤル0120-11-9393(10:00 ~ 17:00、土曜・日曜、祝日定休)
www.ginza-kuma3cake.com
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