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ホテルオークラ東京の本館ロビーを再現したプレステージタワーのロビー。日本の美意識を生かした美しいモダニズム建築は世界中の人々から愛され、見事現代によみがえった。
日本の美意識が息づくもてなし
Text Asuka Kobata
きめ細やかな心遣いを感じるThe Okura Tokyoで至福の滞在
古くから政治・経済の中心地として発展してきた東京・虎ノ門にあるラグジュアリーホテル「The Okura Tokyo」。その前身であるホテルオークラ東京は、日本の国際化が本格的に進み始めた1962年に開業した。創業者である大倉喜七郎氏が当時思い描いたのは、世界の賓客を満足させると同時に、日本ならではの特色を備えた一流のホテルだ。
 開業当時の思いを受け継ぎながら2019年に生まれ変わった「The Okura Tokyo」の客室は、日本古来の美意識を基調にしたオーセンティックな「オークラ ヘリテージウイング」と、高層階から都心の眺望を眺める「オークラ プレステージタワー」の2棟に分かれている。しかし一貫しているのは、豪華絢爛であることよりも、奥ゆかしく控えめな優美さを大切にした空間のしつらえだ。「日本の美」を丁寧に生かしながら、現代のスタイルに合わせたモダンな空間を実現し、ゲストに快適な滞在を約束してくれる。
 ホテルオークラ東京を代弁する建築家・谷口吉郎氏による本館ロビーは、現在のプレステージタワーのロビーに忠実に再現。障子を始め、日本固有の蘭をモチーフにした壁面装飾、麻の葉文様の美術組子など和のデザインを取り入れた空間に、多面体が縦長に連なるランターンや梅の花をイメージしたテーブルセットが美しく配されている。また、多くの著名人を迎えた大宴会場「平安の間」は新たなしつらえに生まれ変わり、壁面装飾に敷地内の美術館「大倉集古館」所蔵の国宝「古今和歌集序」の唐紙をデザインモチーフとして採用。そのほか廊下やエレベーターホールのしつらえ、季節ごとに表情を変えるダイナミックな庭園など、至るところからさりげない「日本の美」を感じることができるのだ。
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