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南アルプスの山間の川を回游(かいゆう)する鮎たちが出合う、標高によって異なる山の幸を盛り込んだ自然の世界を表現した。エクルビスやアボカド、木の実などを薬味に箸で食す。
鮎回游 ESqUISSE
来日して初めて鮎の塩焼きを食べて以来10年、リオネル・ベカは鮎にぞっこんだ。当初は「フランス料理に取り入れるには難しい」と感じていたが、2年前についに挑んだ。その“鮎フレンチ"へのアプローチは、日本の鮎と鮎料理に対するリスペクトに始まるという。
「鮎の生態や、鮎が暮らす環境、日本人と鮎が千年かけて醸成した関係性、旨さを極める料理法など、とことん研究を重ねました。それをベースに、イマジネーションの世界に入ります。3度目の挑戦になる今年の一皿は、日本の山間の清流に住む鮎を、仏アルプスの清流にワープさせ、鮎が周囲の環境に溶け込みながら生き生きと泳ぐ様を想像しました。そこは私が子どもの頃によく訪れた地。四季折々の自然を楽しんだことを強烈に覚えています。だから、花や木の実、果実、キノコなどの食材が頭にポンポン浮かんできました。サルミソースに使ったエクルビス(食用ザリガニ)もその一つ。生態的に、清流でしか生きられないところが鮎と同じだし、旨みの塊とも言える濃厚な味わいや香りもすばらしく、鮎の肝の代わりになると思ったんです。薬味にはこのほか、ブルーベリーやジュニパーベリー(ねずの実)、木の芽、クルミ、スミレ、それに私が『蜂蜜パウダー』と呼ぶお手製のスパイスなど、山の実りをふんだんに使っています」
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