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会場には写真のみならず、高松氏の訓練の様子やインタビュー等の映像も。
宇宙飛行士
としての死
高松聡の写真家としての初個展「FAILURE」
 国際宇宙ステーション・ロシアモジュール(以下ISS)を舞台に、世界で初めて宇宙空間でCM撮影を実現。その後、民間人で日本人初のISS滞在を前提とした宇宙飛行士訓練を受けた高松聡氏の初の写真展「FAILURE」が開催中だ。
 本当はJAXA宇宙飛行士になりたかったが視力が足りず、電通マンになった高松氏。52歳のとき、英国人歌手サラ・ブライトマン氏のバックアップクルーとしてロシアで宇宙飛行士の訓練を受けるチャンスをつかむものの、ブライトマン氏が飛行を辞退したことにより正式なクルーから外されてしまう。
 本展は長年の悲願であった宇宙飛行士への道が断たれた状況下、訓練を続けたロシア「星の街」の風景や訓練施設などを撮影した写真を中心に構成。訓練中に着用していた宇宙服も会場内に展示されている。ガラスケースに入ったそれがまるで「棺のように見えた」高松氏は“宇宙飛行士を目指した高松聡の死"を感じたという。
 2015年の宇宙飛行士の夢は一旦潰えたものの、今度は「宇宙から見る地球の姿を写真と映像で撮影し、地上で再現する」という新たな宇宙飛行への夢を見つけた高松氏。現在、プロジェクトに必要な費用を集め、数年以内のISS滞在を目指しているという。飽くなき挑戦の集大成を目の当たりにしたい。

●FAILURE
会期:2020年9月4日(金)~27日(日)
開館時間:11:00~19:00
定休日:月曜
TEL:03-6434-9029
www.spacefilms.jp/

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