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炭火焼きにした鮎を、リオネルさん特製の蜂蜜パウダー、エクルビスを煮込んだソースや、乾燥させたブルーベリーの実、ジュニパーベリー、木の芽、クルミをあえたもの、スミレとブルーベリーのシロップなどを薬味に箸で食す。
 鮎の生態や、鮎が暮らす環境、日本人と鮎が千年かけて醸成した関係性、旨さを極める料理法……リオネル・ベカさんの“鮎フレンチ"へのアプローチは日本の鮎と鮎料理に対するリスペクトから始まる。

 そこからだ、彼が鮎に「想像の翼」を与えるのは。

「今年は鮎がフランスの山間の清流を下るところを想像しました。そこは私が幼い頃に、四季折々の自然を楽しんだアルプスの別荘。花や木の実、果実、キノコなどの食材が頭にポンポン浮かんできました。エクルビス(ザリガニ)もその一つ。清流でないと生きられないところが鮎と生態が同じだし、旨みの塊とも言える味わいや香りもすばらしく、鮎の肝代わりになると思ったんです」と話すリオネルさん。エクルビスのサルミソースも、山の実りをふんだんに使ったスパイスも、日本の鮎と見事に親和する。リオネルさんの鮎はアルプスに旅に出てなお、日本人が古来好んできた伝統の味わいをしっかりと主張している。
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