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「鮎の塩焼きの条件は三つ。一番大事なのは、生きていること。鮎って死んで30秒後にはもう脂が劣化して、身がパサつくんですね。二つ目は炭で焼くこと。自分の脂が落ちて、それが香りになって戻ってきて、鮎が自分で味付けをします。三つ目が大きさ。15、16cmの小さい鮎でないと、頭の骨と中骨が硬くなって、身がパサパサし始める。あと体が大きくなるにつれ、クセになる旨みである胆嚢の占める割合が小さくなってしまいます。もちろん焼き方にもコツがあります。炭を極端に手前に置いて、その強い火で頭は自分の脂で空揚げ状態になるようにカリカリに焼く。身は炭の熱源で塩焼きに、薄い尻尾は炭火をあおいだ温風で干物のようにパリッと。約40分かけて焼くことで、香りが回り、水分が徐々に抜けて旨みが凝縮されます」


生きたまま串打ちし、炭火で鮎を焼く奥田透さん。「鮎の解禁日前の練習期間とシーズン中の約3カ月間、指導や味見のために毎日、軽く10匹は食べている」という奥田さんは、まさに体を張って、毎年鮎料理に挑む。



●銀座小十
東京都中央区銀座5-4-8 カリオカビル4F
TEL:03-6215-9544
http://www.kojyu.jp
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