PAGE...1|2|3
蛤と生若布椀
コハク酸、グルタミン酸、タウリン、アラニン、などなど。蛤のエキスはうまみ成分の宝庫だ。
以前、鳴門と三陸の若布の両方を視察する機会に恵まれた。「鳴門わかめ」の伝統手法であった「灰干し」は事実上廃止となったが、灰の代わりに活性炭を使う業者さんがいるということで訪ねた。ここの若布は目の覚めるような鮮やかなグリーンで香りは今まで海にいたかのよう、歯触りはシャキシャキながら、喉のどごしにとろんとした粘りも感じる。「さす がは鳴門わかめ!」と快哉(かいさい)を叫んだ。
 その2カ月後、三陸では「お湯で戻す」という方法を教わった。三陸の塩蔵若布は真水で1、2分塩気を落としてから食べるというのが定説であるが、実験により50℃のお湯で2分間洗うことで、一層鮮明な色と香り、そして心地よい歯触りまで得られることが分かった。素材の真味に近づく新しい発見は楽しい。
PAGE...1|2|3
LINK
GOURMET
椀味不只淡
>>2013.12.9 update
GOURMET
椀味不只淡 第12回
>>2013.12.18 update
GOURMET
神田裕行 真味只是淡 第八回
>>2015.3.31 update
GOURMET
椀味不只淡 第11回
>>2013.12.18 update
GOURMET
椀味不只淡 第10回
>>2013.12.24 update

記事カテゴリー