





(上左)手づくりで焼酎を醸す「藤居醸造」。(上中)うすき夢堆肥を使用して栽培されている野菜。(上右)豊予海峡で一本釣りされ、厳格な品質管理のもと直送される関あじや関さば。(下左)大分県の特産品である柚子。(下中)「鷹来屋」「ちえびじん」「豊潤」「和香牡丹」「泰明」「西の関福印」「梨リキュール」など、大分県らしい味わいが満喫できる日本酒や焼酎。(下右)その陶芸技法が国の重要無形文化財に指定されている小鹿田焼。
“FOOD”を知ることは、“風土”をひも解くこと
「FOOD NIPPON 2015」の開催にあたり、その価値や魅力をしっかりと伝えるため、緒方氏自らが大分県の農家や工房に足を運んだ。和食の基本となる醤油や味噌、酒などの発酵食品に欠かせない“糀"を知るべく訪ねたのは、佐伯の地で作り続けている創業320余年の「糀屋本店」。九代目の浅利妙峰さんは、糀を調味料として使うことをいち早く提唱し、さまざまなレシピを考案するなど、現在、世界各地で糀普及の活動に取り組んでいる人物だ。臼杵市では「うすき夢堆肥」と名付けられた完熟発酵の堆肥づくりとの出逢いが。この堆肥を使用し、無農薬で野菜づくりを行う「ohana本舗」からは、素材本来の味が引き出された旬の野菜を取り寄せる。また、食事に欠かせない酒を求め、県南部の豊後大野市千歳町にある「藤居醸造」へ。そこでは、室蓋を使った麹づくりにはじまり、醪の発酵に木桶を用いるなど手づくりにこだわった麦焼酎の醸造が行われていた。麦の豊かな香りとすっきりとした後味が、大分県の料理を引き立たせる。さらに、工芸では、日田市源栄町の山間で開窯以来、一子相伝で技術や伝統を守り続けている小鹿田焼や、全国一のマダケの生産量を誇る大分県で古くから盛んに行われてきた竹工芸の工房を訪ねた。「FOOD NIPPON 2015」では、食や酒、工芸品など選び抜いた大分県の魅力を、東京にいながらにして体感できる。