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ソムリエ若林英司のテイスティング
第1回 京都の水
Photo Masahiro Goda


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 第1回は、東京でも手に入れやすい京都の水「京都 伏水 黄桜お酒仕込み水」と「京都の銘水 愛宕山麓の水」をテイスティングした。「伏水」の味わいは、なめらかでのど越しがよく上品な口当たり、なめらかで重々しさがなく飲みやすいですね。ピュアではつらつとしてとてもクリーンな印象です。黄桜にある井戸の水のためか、吟醸香がありもろみのような麹の香りがほのかに感じられます。飲用、調理、水割りやコーヒー、紅茶、ハーブティーによく合います。
 山城国と丹波国の国境にある愛宕山からゆっくり時間をかけて流れてきた水は、香りはおとなしく、中味と広がりがあり、キメが細かいというのが最初に感じたことです。品格があって軽やか、苦みはほとんどなく、酸味もやわらかくて、絹のような喉越しとは、この水のことを言っているのではないでしょうか。程よいミネラル感が心地よく旨みを十分に感じとることができ、軽やかでピュアな味わいは、おいしいだしを取るのに最適です。
 古都「京都」の水は、上品で奥行きがあり、まるで絹ごし豆腐のような滑らかさが群を抜いています。バランスよくまとまったこの“まろやか"さは、人々を「ほっ」とさせる水と言えるでしょう。京料理の要となるだしに最適な点も、実に京都らしいですね。

1. 軽やかでピュア、丸みがありバランスがよい
2. のど越しがシルキーで旨みと品格を併せ持つ
3. 酸味が少なく渋味、苦味も極めて少ない
4. 後半の程よいミネラル感が心地よい
5. 用途の幅が広い

エスキス 支配人兼シェフソムリエ
若林英司(わかばやし・えいじ)
1964年長野県生まれ。小田原「ステラ マリス」、恵比寿「タイユバン・ロブション」のシェフソムリエを務め、「レストランタテル ヨシノ」の総支配人に。2012年から現職。

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