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建物の名前は、時の香港総督クロフォード・マレー・マクレホースにちなんだもの。香港総督としは最長の10年以上を務め、香港の可能性を強く信じ、本国との折衝で大きな予算を確保し現在の香港のインフラを築いた。  
 一見シンプルだが、半世紀を経ても劣化せず機能美を誇れるマレー・ビルにふさわしい命名といえるだろう。マレーは、香港はいずれ中国との軋轢にさらされることを予知し、懸念していた。
 正式にはマレー・ホテル香港 ア・ニッコロ・ホテルという名称がついている。香港をベースにしたマルコ・ポーロ・ホテルズの姉妹ホテルだからだ。このニッコロというのは、マルコ・ポーロの父親の名前だったとか。
 夕暮れのポピンジェイス(早い時間帯には宿泊客に向けて、ドリンクや軽食のサービスが)で、セントラルからの仕事帰りの香港人らに交じってくつろぐ。鳥のさえずりに代わる、さまざまな言語が元気に飛び交うのを漏れ聞きながら、世界一の商都は不変だと安心する。
 香港のデモは続いていたが、場所と時間が限られているため、遠いことのように思えた。周辺のビルではネオンが明滅し始め、まるで万華鏡の中にいるようだった。


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