PAGE...1|2|3
カワハギのお造り
さて、あん肝だ。こいつはやっかいだ。まずは、国産10キロアップのあんこうのものでなくては話にならない。1日は塩水でアクを抜かなければエグイ。火入れは68度を超えてはならない。味を付けて冷やすが、冷やし過ぎては硬くなる。あれやこれやを乗り越えた、あん肝は至福の味わいだが、食べ過ぎは体に良くない。目をむくほどに高価なあん肝は、調理し損じては、はらわたが煮えくりかえる。的確に調理されたあん肝の味わいを一言で表現するならば「魔味」であろう。旨いと感じながらも心と体が「これを食べ過ぎてはいけない」と感じ舌の幸福をいましめている。
 日本人は魚食文化を極め、その一つの成果として、はらわたの美味にたどり着いた。勝者であるライオンは獲物のはらわたしか食べないという。日本人も美食の勝者を気どり、はらわたの不埒な美味にのどを鳴らす。

●元麻布「かんだ」 東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布1F TEL03-5786-0150


※今月の食材
アンコウの肝 千葉県産
雲子 北海道産
蕗の薹 北海道産
カワハギ 九州産
PAGE...1|2|3
LINK
GOURMET
神田裕行 真味只是淡 第十九回
>>2016.3.1 update
GOURMET
椀味不只淡 第8回
>>2013.12.24 update
GOURMET
神田裕行 真味只是淡 第二十一回
>>2016.5.12 update
GOURMET
神田裕行 真味只是淡 第十七回
>>2016.1.26 update
GOURMET
WINE MEETS NIPPON
>>2014.2.18 update

記事カテゴリー