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あん肝のふくめ煮
神田裕行 真味只是淡
第六回
Photo Masahiro Goda 文・神田裕行
魚のはらわたを食べるということも日本料理の特長なのかもしれない。特に年末から春分の頃までは、献立にはらわたが目白押しだ。
 肝の中でも最も美味なのは12月を過ぎて、500グラムを超した大型の本カワハギのそれだ。活け締めの後、体重の半分を超す白肝を傷つけないよう丁寧に取り出したなら、すぐに氷水で血を流し、乾いたふきんで水気をぬぐって、冷蔵庫でしばらく締める。この作業によって角が立つほどの良い肝を手に入れたなら、新潟のかんずりで食べることをオススメする。写真手前、紅い麹はかんずりの6年もの。薬味と共に肝にまぶし、薄く削いだ刺し身で巻いて召し上がれ。新潟の新酒とこの上なく合うことを約束する。
 白子の最上位は、河豚のものとされているが、いやいや鯛の白子、鮭の白子もなかなかに艶っぽい。これらの白子は煮付けが旨く、山椒などを添えると、むっちりした食感とあいまってたまらない酒肴になる。
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