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伊勢海老シャンパン洗い
伊勢海老の美徳は、その身の甘さと飴色の繊維のぷりぷり感ゆえ、火を入れず生で味わう。私の一推しはシャンパン洗いだ。シャンパンの香りと酸味が程よく効いて、伊勢海老の身を極上の刺身にしてくれる。
 これには醤油はもちろん合わない。繊細な海の藻塩を合わせたい。シャンパンの酵母がかすかに香り、伊勢海老の身にコクを与える。
 冬の海の極上のごちそうは、なんと言っても河豚の白子だろう。かんだ名物は、河豚白子の茶碗蒸しなのだが、ここでは焼き白子の粥仕立てを紹介する。白子の妙味は、その幽玄の香りと舌触りにあるが、この舌触りをより魅力的に感じさせるためには、ほんの少しだけ白子より固いものを合わせると効果的だ。つまり、そのもの単体で食べるより、少し異なる食感のものと、口中で比較することでより食感を楽しめるわけだ。
 簡単に言うと、玉子のサンドイッチを思い出せばいい。玉子のふわふわとパンのふわふわに、ほんの少しの違いがあることが大事なのだ。
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