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尾道から
万葉集の情景に誘われ
しまなみ海道へ




Text koko shinoda
瀬戸内海の入り組んだ海岸線、背景に迫る山並み、段々畑と山村、素朴な漁村、無数の島々……シーボルトも、シルクロードを命名したドイツ人地理学者も「瀬戸内海は世界一美しい」と絶賛した。彼らの故郷に近い地中海とはまた違う、山海の美を圧縮した箱庭のような景観に感激したのだろう。
 本州、四国、九州に囲まれた瀬戸内海を、欧米人はインランド・シー(内海)と呼んだ。それにちなみ、日本で狭戸(狭い水路)の内海と名づけたのが地名の由来らしい。温暖な気候、豊かな柑橘類、水路としての役割、保養地としての美観など、瀬戸内海は地中海と似ている。
 だが、多くの欧米人に瀬戸内海を地中海を凌ぐ風光明媚な土地だと言わしめたことは、近年まで意外に認識されていなかったようだ。これが幸いして、バブル期においても欧米を真似たリゾート開発は数少なく、今も随所に昔の風情が残されているのだろう。瀬戸内海を旅していると、万葉集に綴られていた、うろ覚えの海の歌の断片が自然と口をつく。
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