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島の西岸、アフロディテの町として知られるパフォス。紀元前2世紀から400年近く、キプロスの首都でもあった。緻密なモザイク床の跡などが当時をしのばせる古代遺跡があちこちに残され、現在では町全体がユネスコ世界遺産ともなっている。その一方で、瀟洒なカフェやホテルが並ぶ海辺は、南欧らしいリゾート風情が溢れている。
 アフロディテ誕生の地とされるのはパフォスの東約25km、海辺の巨大な岩山によりそうように突出する小さな岩の島だ。砂の代わりに大小の丸い玉が敷き詰められたような石の浜辺。そこにレースのような泡に縁どられた波が寄せては返す様は、今にもアフロディテが海のレースを纏って現れるのではないかと思わせた。
 水平線は群青の海だが、波打ち際はクリスタルのように透明で、群れ遊ぶ魚が見えた。アフロディテの愛にあやかろうとここを訪れた人々は、愛をえられるとされる浜の丸い石を拾って帰る。人肌のように滑らかな白い石ばかりで、手にとると心地よい。
 ここの北西の半島には、アフロディテがしばしば水浴びをしたとされる泉が今も残されている。美を誇り、気が強く、浮気であったアフロディテはイチジクの木に囲まれた洞窟の泉で、愛人と戯れたという。パフォスに続く遊歩道の途中にあり、自然の景観を愛でながらハイキングができる。花咲く山道を、香しいアフロディテの足跡をたどりながら。

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