
永平寺の大庫院( だいくいん)。この中で、日々、僧たちの食事が作られている。食事作りは座禅や読経にも劣らない大切な修行だ。永平寺は1244年、道元禅師によって開創された。
もちろん、食べる側にも心得がある。参拝客のために振る舞われる中食では、割り箸の袋に「五観の偈」と呼ばれる心得が記されている。「目の前の食事が出来上がるまでの苦労に感謝をする」「食事を受けるという供養を受けるだけの正しい行いを自分ができているか」「常日ごろ貪りの心、怒りの心、道理をわきまえぬ心を根本に、迷い、過ちを犯さないように心がけているか」「食事は正に良薬であり、身が痩せ衰えるのを防ぐもの」「(仏)道を成就するために食事をいただく」ということ。
この五つを深く心に念じ、調理してくれた人や命あった食材に感謝しながら頂く。
参拝客向けや法事での食事のほか、修行僧は約200人。その全ての食事の調理を、現在は三好さんを中心に、11人の僧が担っている。朝食は午前6時から7時。その前に仏様へのお供えを調理するため、毎日1時には起きる生活だ。当然、三好さんも自ら包丁を握り、鍋を振る。1年目の新人僧に、調理法だけでなく旬の食材を教えることも、典座老師の大事な仕事だ。
「なるべく旬の食材を使い、心を込めて一生懸命作れば、それが“精進料理"なのです」と三好さん。永平寺に長年伝えられる精進の味。それはまさに、日本人が大切にしてきた、食に対する真心そのものである。
●曹洞宗大本山 永平寺
福井県吉田郡永平寺町志比5-15 TEL0776-63-3102
この五つを深く心に念じ、調理してくれた人や命あった食材に感謝しながら頂く。
参拝客向けや法事での食事のほか、修行僧は約200人。その全ての食事の調理を、現在は三好さんを中心に、11人の僧が担っている。朝食は午前6時から7時。その前に仏様へのお供えを調理するため、毎日1時には起きる生活だ。当然、三好さんも自ら包丁を握り、鍋を振る。1年目の新人僧に、調理法だけでなく旬の食材を教えることも、典座老師の大事な仕事だ。
「なるべく旬の食材を使い、心を込めて一生懸命作れば、それが“精進料理"なのです」と三好さん。永平寺に長年伝えられる精進の味。それはまさに、日本人が大切にしてきた、食に対する真心そのものである。
●曹洞宗大本山 永平寺
福井県吉田郡永平寺町志比5-15 TEL0776-63-3102