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(上左から)参拝客向けの膳、台引きの昆布を揚げたじゃばら昆布、山菜、味噌汁(三つ葉、なめこ、豆腐)、漬け物、胡麻豆腐。
(下左から)朝鮮なすとししとうと粟麩(あわふ)の煮物、吸い物、炒めなます。地元、福井で採れたものを中心に調理する。旬を大切にし、時には、典座が山へ山菜を採りに行くこともある。白米、煮物(ひろうず、人参、生湯葉、干ししいたけ)、白あえ(人参、こんにゃく、きぬさや)。永平寺自慢の風味豊かな胡麻豆腐は、下に味噌を敷くのが昔からのスタイルだ。
法食同輪(ほうじきどうりん)
曹洞宗大本山 永平寺

Photo Masahiro Goda Text Rie Nakajima
福井県吉田郡にある曹洞宗大本山 永平寺。
そこでは、毎日の食が仏道修行と同じように大切な修行であるとされている。
「食事を作らせていただけること」そして食材の命に感謝して、一生懸命に調理する。
食事をつかさどる僧、典座(てんぞ)を中心に、真心を込めた精進料理が受け継がれている。
つぼ、ちょく、ひらと呼ばれる磨かれた器に、一品ずつていねいに料理を盛り付けていく。慌てず、手際よく。大切なのは、真心だ。「食事は作ってあげるのではなく、作らせていただくもの。食に携わる者として、この気持ちは忘れてはいけません」と、永平寺の食事をつかさどる典座老師、三 好良久(みよしりょうきゅう)さんは言う。永平寺の開祖、道元禅師は、典座の役割について著書『典座教訓』を残している。一般的に、日本の寺院では僧たちの食事の支度をする者は飯炊きなどと呼ばれ、重視されていなかった。しかし、毎日の地道な生活の積み重ねこそが、修行である。「法食同輪」。食事を仏道修行と同等な修行とした道元禅師の考えに基づいて、永平寺では今も、日々の食事が用意されている。
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