

常に海外諸国の政治的な利害に翻弄(ほんろう)されながらも、カナダ人の心を豊かにしてきたのが、人間の力をはるかに凌駕(りょうが)する強さと美しさを持った自然だ。自然は豊富な鉱物資源として、物理的にもカナダ人を支えてきた。そんな、母なる大地の前では、繰り返される戦争は、いかにも愚かに映ったに違いない。
多くの日本人にとって、カナダはアメリカの隣国というだけで、その歴史までは到底意識が及ばない、認識の薄い国かもしれない。首都オタワも、名前くらいしか知らないという人もいるだろう。だが、いったんその懐に入り、たどってきた道を知ると、異邦人でありながら、どこか共感や郷愁を覚えざるを得ない。
それは偉大な自然を前にしての謙虚さゆえか、水に囲まれた土地ゆえか。河の上に揺られながら思いをめぐらせるのもまた、旅の記憶となるのである。
多くの日本人にとって、カナダはアメリカの隣国というだけで、その歴史までは到底意識が及ばない、認識の薄い国かもしれない。首都オタワも、名前くらいしか知らないという人もいるだろう。だが、いったんその懐に入り、たどってきた道を知ると、異邦人でありながら、どこか共感や郷愁を覚えざるを得ない。
それは偉大な自然を前にしての謙虚さゆえか、水に囲まれた土地ゆえか。河の上に揺られながら思いをめぐらせるのもまた、旅の記憶となるのである。

