
カナダ戦争博物館外観。建物の側面に、モールス信号で“Lest we forget -N'oublions jamais” (忘れないために)という英語とフランス語でのメッセージが記されている。
市内に134の公園緑地を持つ、水と緑の街としても知られるオタワは、散策するだけでも心地よい街だ。カナダを代表する建築も多く、全面ガラス張りの建物が目を引くカナダ国立美術館には、芸術家集団グループ・オブ・セブンの作品が収蔵されている。植民地時代の英仏の戦いから現代に至るまで、カナダ史上の戦争にまつわる兵器や写真が展示されるカナダ戦争博物館は、日系人建築家のレイモンド・モリヤマ氏がデザインしたもの。国会議事堂の対岸にあるカナダ歴史博物館の設計を手がけたのは、カナダ先住民の血を引く建築家、ダグラス・カーディナルだ。人の顔をモチーフにした正面玄関の周りに、氷河が溶けて流れる川をイメージした曲線が連続する外観は、カナダの人と自然の関わりを表現している。三角形の建物に軍用機が数多く展示されたカナダ航空宇宙博物館では、複葉機でオタワの空中散歩が楽しめる体験飛行も用意されている。上空から眺めると、オタワ川やリドー運河に沿って豊かな緑が広がり、中央部に近代的なビルが林立する、風光明媚(めいび)な都市であることが改めて感じられる。