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洋食屋ふじ家は3代目藤原千也さん夫妻と、娘夫婦の4人で切り盛りする。お母さんの晴子さんは4代目の息子の店、Fujiya1935も手伝っている。孫の男の子は「コック帽をかぶるのが大好き」。早くも後継ぎとしての自覚が芽生えているのかもしれない。
ふじ家四代の味
洋食屋 ふじ家
松屋町筋・鎗屋町のFujiya1935と、同じ鎗屋町の洋食屋ふじ家。すぐ近くにある2軒のふじ家に「ドラマを感じる」と門上武司氏。どういうことなのだろうか。
「Fujiya1935は、イタリア、スペインで修業した4代目の藤原哲也さんが2003年に先代の父・千也さんから引き継いで、ガラリとスタイルを変えてオープンしたレストランです。ただ代替わりといっても、千也さんはまだ50代の若さ。引退するには早過ぎるし、昔からのおなじみさんも多くてね。最初はステーキを焼いていたんですが、コースの中の一品となると息子の料理とは少し方向性が違うように思ったのです。それで料理はやめて、パンを焼き始めたんです。でも、常連さんから『お父さんのハンバーグが食べたいわ』なんて声も上がって。ならばとFujiya1935を離れて、裏手のビルの地下でカウンターの小さな洋食屋ふじ家を再開。そこで6年ほどやって、3年前にちょっと大きな今の店に移ったんです。お母さんは両方の店を手伝ってますし、何もケンカ別れしたわけやない。潔く息子に店を譲ったお父さんも、家業に敬意を表して店名に1935という創業年をつけた息子も偉い。方向性は違っても、互いを料理人として尊敬しているんやと思います」
 門上氏の話から、昔ながらの洋食屋と新しいタイプのレストラン――両ふじ家には大阪における洋食の二大潮流が凝縮されているようだ。
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