世界の贅沢、NILEの贅沢

小説「スリーピーホローの伝説」の舞台

タリータウンは、1997年にタリータウン・ノースと呼ばれていた一帯が、スリーピーホローと改名された。これは米国を代表する19世紀の文学者、ワシントン・アービングのここを舞台にした小説「スリーピーホローの伝説」にちなんだもの。
　このため、最寄り駅はタリータウンだが、キクイットは現在スリーピーホローに所在する。一帯にはロックフェラーゆかりの名所も多い。一族が保護公園として国に寄付した445haにおよぶ、緑豊かな森林緑地は市民の憩いの場だ。ピクニックや乗馬を楽しむ家族連れは、豊かなアメリカン・ドリームのシーンそのもの。
　また、一族が建設を担った地元のユニオン・チャーチは、シャガールに特注した幻想的なステンドグラスの窓があり、芸術と信仰が一体化した空間を生み出している。地元の人々のために通常のミサも開かれている一方、平日にも観光客が見学できる。
　32hの有機農園‘ストーンバーンズセンターフォー・フード＆アグリカルチャー‘は、「健康的な生活のためのサステナブルな食料」をミッションとした、一族の支援するNPO。その農園に隣接したレストランは、オーガニック食材を主に使った料理が有名で予約も取りにくい。が、併設されたカジュアルなカフェでは、気軽にスナックが楽しめる。素朴なサンドイッチの、アーリーアメリカンの風味に和む。