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 もちろん、それが米国経済の先行きや長い目で見た場合の米株価にとって、明るいニュースであることは言うまでもない。
 つまり、少し長い目で米国株式相場が調整入りする可能性はあるものの、それは同時に米国経済の本格的な拡大局面入りを示唆するものともなり得る。そこで一考したいのは、そんな米国で大活躍する日本企業の株価上昇に期待し、これからじっくり押し目買いのチャンスをうかがうという投資戦略である。
 例えば、スポーツ用品製造・販売のアシックスは、足元の地域別売上高において、米州地域が日本地域を大幅に上回っている。同社は米MLBテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有選手と包括的な契約を結び、米州市場の展開を以前にも増して強化。そこに、折からの健康志向の高まりやランニングブームという追い風が吹き、現地でのブランドイメージを確立することに成功しつつある。
 今や北米を主戦場と位置付けているのは、あのキッコーマンも同様だ。主力の「しょうゆ」は、今や米国の半分近い家庭に常備されており、ニッポンの「KIKKOMAN」はSoySauceの代名詞となっている。これも、折からの日本食ブームや健康志向の高まりが追い風になっていると言えよう。
「世界初から世界のTAKEUCHIへ」をキャッチフレーズに掲げる竹内製作所も、その技術力を武器に米国での活躍によって飛躍的な収益の伸びを実現している企業の一つ。もちろん、セブン&アイ・ホールディングスやブリヂストン、富士重工業など、米国で目覚ましい発展を遂げている日本企業は数あり、今後の一段の収益の伸び、株価の上昇が大いに期待される。
(左)THIS MONTH RECOMMEND
マルクスの『資本論』を読み解く!
トマ・ピケティの『21世紀の資本』を読破して、今一つ釈然としない思いを抱いている方々にお薦めの良書である。なかで対談する2人の論客は、とにかく「マルクスの『資本論』を読め」と説く。読めば、少なくとも「この社会の構造の限界」がわかり、それがわかれば様々な疑問に対する答えがおのずと整理されてくる。一見、難解そうに感じられる本書であるが、読み進めば非常に卑近な具体例から数々の「なるほど」が得られる。
『希望の資本論』池上彰?佐藤優著/朝日新聞出版/1,188円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 www.e-minamiaoyama.com
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