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季節を盛り込んだ八寸。細長い大皿に2名分を盛り込むことで、いっそう豪勢に映える。カウンター越しに客が喜ぶ顔を見るのが、桝田さんの原動力だ。
旬の料理と会話がごちそうになる
心斎橋 桝田
長さ60㎝の大皿に盛られた八寸が出されると、決まって女性客から歓声が上がる。きのこや鮎、海鼠の卵のくちこなど、旬の味覚をふんだんに用い、盛り付けにも秋の月見を意識した「桝田」ならではの一品だ。
 「料理で季節が感じられて楽しい、と言っていただけるのが何よりの褒め言葉。楽しい、というのはお世辞では出ませんからね」と、主の桝田兆史さんは顔をほころばせる。
 「お客様と話をするのが好きなんです」という、奈良出身の関西人。「吉兆」で修業を積んだが、カウンター割烹を望んで他店に移った。15年前に自身の店を構えた時も、当然、カウンタースタイルを選んだ。
 「前の店は接待が多く、お客様が食を満喫しているようには見えませんでした。それで自分の店は、まず女性に気に入っていただける華やかさと楽しさのある店にしようと思ったのです。お座敷もありますが、職人の作りたてを味わえるカウンターを希望する方がほとんどですね」
 毎年、50㎏は作るという自家製のからすみも好評だ。塩漬けの後、焼酎に漬け、陰干し、日干しと手間は掛かるが、「ここで食べてから、からすみが好物になった」というファンも多い「桝田」の秋の風物詩だ。
 「常に値段以上の価値がないと、大阪人は納得しません。どれをとっても、さすが、と、言っていただけるものを提供したいと思っています」
 ひと月に一度、年間予約して訪れる常連も多い。大阪人が認めた、値打ちある料理に出合える店である。

●しんさいばし ますだ
大阪市中央区心斎橋筋1-3-12 田毎プラザビル2F
TEL06-6251-5077
営業時間11:30~14:00(13:00L.O.)、17:00~22:00(20:00L.O.)
日曜定休
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