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白隠慧鶴 「達磨図」 紙本着色 一幅 192.0×112.0㎝ 大分・萬壽寺
奇想の起爆剤・白隠慧鶴
臨済宗中興の祖、500年に一人の英傑と呼ばれる、江戸時代中期の禅僧・白隠慧鶴。駿州原宿(現・沼津市)に生まれ、15歳の時に出家。全国を行脚して修行に励んだ後、33歳で故郷・原の松蔭寺(しょういんじ)の住職となる。42歳で真の悟りを得たとされる。「不立文字(言葉に頼るな)」といわれる禅宗において、白隠は膨大な数の書画を描くことで、禅の教義を広めた。手段として描かれた白隠の書画は、ユーモラスで軽妙、実に大胆である。職業画家ではなく宗教者として、深いメッセージを込め、庶民にわかりやすく説いた書画は、技巧をあえて排除した、独自の表現となっている。「達磨図」は木炭で描かれたと思われる下書きを無視した自由で奔放な筆致。当時としては奇抜で型破りだった大胆なクローズアップで大きな白眼を浮き出させ、濃い墨色の背景に鮮やかな朱のコントラストが見る者を釘づけにする。

白隠慧鶴 「隻手」 紙本墨画 一幅 42.0×50.0㎝ 岐阜・久松真一記念館
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