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伝岩佐又兵衛 「妖怪退治図屏風」 紙本着色 八曲一隻 75.1×361.6㎝ 江戸時代 個人蔵
執念のドラマ・岩佐又兵衛
戦国大名の荒木村重(むらしげ)の子として生まれたとされる岩佐又兵衛は、一族の滅亡後、母方姓である「岩佐」を名乗り、絵師として京都で活動を始めた。越前北庄(きたのしょう)(現・福井市)に移住し、20余年を過ごした後、1637(寛永14)年に江戸に移り住んだ。どの流派にも属さず、大和絵と漢画を完璧に修得し、融合した個性的な画風で、古典から風俗まで幅広い作品を描いた。「山中常盤物語絵巻」「堀江物語絵巻」「浄瑠璃物語絵巻」など、当時流行の浄瑠璃節を詞書(ことばがき)とした極彩色の絵巻群は、豊かな想像力を用いた中世的な側面と、又兵衛が生きた時代の過去にあった現実の記憶とが混ざり合い、強烈な奇抜さを醸す。また、京の喧けん騒そうと享楽的光景が画面を埋め尽くす「洛中洛外(らくちゅうらくがい)図屏風」といった風俗画では、“浮世又兵衛"の異名をとり、新たな世界を開いた。後に浮世絵の祖とされている。
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