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(左)曽我蕭白 「雪山童子図」 紙本着色 一幅 169.8×124.8㎝ 1764(明和元)年ごろ 三重・継松寺
(右)曽我蕭白 「美人図」 絹本着色 一幅 107.1×39.4㎝ 1764(明和元)年ごろ 奈良県立美術館 展示期間:3/12~4/7
醒(さ)めたグロテスク・曽我蕭白
京都の商家に生まれ、伊勢や播磨(はりま)を放浪した後、40歳を過ぎてから京都に定住したという曽我蕭白。20代後半には、室町時代の曽我派の直系にあたると自称して曽我姓を名乗った。蕭白35歳の頃、松阪で書画会を開き、そこで受注されたと伝わる「雪山童子(せつせんどうじ)図」は、釈迦(しゃか)が前世で若いバラモン僧・雪山童子として修行していた時、悪鬼の姿に身を変えた帝釈天(たいしゃくてん)から、修行の熱意を試される場面を描いた。常軌を逸した表情に真紅の布をまとった雪山と、狂暴さの化身である群青の悪鬼の、どぎつい対比が生々しい。卑俗さと聖性とが混在する特異な宗教画である。けばけばしい着色を施したサイケデリックな画面こそ、破天荒な蕭白の奇想そのもの。ちなみに、この松阪の書画会では蕭白の“奇行"により、ほとんど受注がなかったそうだ。
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