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もちろん、米国経済が本格的な拡大局面を迎えるならば、米国はもとより広く世界全体の原油需要も高まると見ていいだろう。要するに、遅くとも2015年の後半あたりから原油の需給は再びタイトになっていき、その価格は一定の戻りを見る可能性が高いということである。
 そのように考え、一歩先行く投資家たちはすでに購入し始めている。それは他でもなく、原油価格の動きに連動することを目指して運用される東京証券取引所(東証)上場のETF(上場投資信託)のことである。その名は「WTI原油価格連動型上場投資信託」、銘柄コードは1671だ。
 このETFは文字通り、原油価格の世界的な指標の一つである「WTI(West Texas Intermediate)原油先物価格(直近限月の清算値)」への連動を目指して運用される。運用にあたっているのは、日本におけるヘッジファンドの草分けとして1999年に創業したシンプレクス・アセット・マネジメントで、同社は東証に上場するETFを計13本取り扱う。
 当然のことながら、原油価格の下落によって、「WTI原油ETF」の過去1年間の実績は、散々なものとなった。しかし、だからこそ今は非常に興味を引かれる存在であることも事実である。
 お分かりの通り、仮にWTI原油先物価格が今後ドルベースで上昇し、さらに一段の円安・ドル高が進んだとしたならば、私たち日本の投資家はダブルでメリットを享受することもできるのだ。
(左)THIS MONTH RECOMMEND
日本のポテンシャルは非常に大きい!
片や経済閣僚としてマクロ経済政策の地平から、片や産業再生ファンドの実務部隊のトップとしてミクロの地平から、かつて日本が抱えていた不良債権問題の解決という大きな課題と共に格闘した両雄の対談は読み応え十分である。中でも「日本はあらゆる分野においてリテラシーが低い」、だからこそ「非常に大きなポテンシャルを持っており、ほとんどの人が上昇気流に乗れる」と述べている部分には大いに共感させられる。
『上昇気流に乗るのは誰だ!』竹中平蔵×冨山和彦著/PHP研究所/1,620円

(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 www.e-minamiaoyama.com
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