
門上氏が編集顧問を務める「あまから手帖」。関西圏のグルメ情報を中心に、フードイベントや器の紹介など広く食文化を伝えている。
ダシはやっぱり真昆布です
北前船で運ばれてきた各地のものにより、大阪の食はより深く多様に発展していく。中でも、大きな役目を果たした食材が北海道の昆布だ。大阪では、高級料亭からうどん屋まで多くの店で、“昆布の王様"と称される真昆布が、現在も使われている。何と北海道産の真昆布は90%が大阪で消費されているというから驚きだ。そこまで大阪人が愛してやまない真昆布でとるダシと、他の昆布でとるのではどう違うのだろうか。
「真昆布のダシは、京都の利尻昆布でとるダシよりも、うまみが強く、味が濃いですね。あくまで昆布が味の主役ですが、鰹節や煮干しを加えると味がさらに深みを増します。
例えば、うどんでは『ダシの大阪、麺の讃岐』といわれるように、大阪ではダシ(汁)を吸い物のように全て飲み干すものです。これはダシを最後まで味わっての “うどん"なのです。高級料亭だけでダシを使うのではなく、“粉もん"と呼ばれる庶民的な食べ物にまでダシが根付いているのは、やはり大阪くらいではないでしょうか。お好み焼きもたこ焼きも、粉は水で溶くのではなく、ダシで溶くのが当たり前ですから。
それに大阪人は、日常的に『この店、ええダシとっとんな』とか、しょっちゅう言いますね。真昆布主体のダシが大阪の味として確立されているわけなんです」
「真昆布のダシは、京都の利尻昆布でとるダシよりも、うまみが強く、味が濃いですね。あくまで昆布が味の主役ですが、鰹節や煮干しを加えると味がさらに深みを増します。
例えば、うどんでは『ダシの大阪、麺の讃岐』といわれるように、大阪ではダシ(汁)を吸い物のように全て飲み干すものです。これはダシを最後まで味わっての “うどん"なのです。高級料亭だけでダシを使うのではなく、“粉もん"と呼ばれる庶民的な食べ物にまでダシが根付いているのは、やはり大阪くらいではないでしょうか。お好み焼きもたこ焼きも、粉は水で溶くのではなく、ダシで溶くのが当たり前ですから。
それに大阪人は、日常的に『この店、ええダシとっとんな』とか、しょっちゅう言いますね。真昆布主体のダシが大阪の味として確立されているわけなんです」