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一誠堂書店は創業110 年超え。古本業には修業がつきもので、ここは店員を一番独立させた店の一つだそうだ。
リベラルアーツとは、古代ギリシャやローマで「人を自由にする学問」として生まれたもの。5、6世紀の帝政ローマ末期には、文法・修辞学・論理学・算術・幾何・天文・音楽が自由7科とされ、これらを学ぶことが自由人として生きていくのに必要な素養とされた。その流れをくむ欧米には、教養教育のみを行うリベラルアーツ・カレッジがある。
 それはさておき、近頃よく耳にするリベラルアーツ教育の特徴は、専門へのアプローチを学際的に行うところにある。その背景は「社会の要求する知識が、理系・文系の枠に収まらない」こと。大学としては「専門領域を深く学びながら、その専門性を支える複数の学問領域を学ぶ」という方向性で、学生の教養力を育もうという考えなのだろう。
 それはいいが、ことさら新しい考え方でもない。実際、神保町ではすでに50年も60年も前から“リベラルアーツ的世界"を展開しているではないか。あらゆる分野の専門書が“新陳代謝"を繰り返しながら堆積され、今なおあふれ返っている。町全体が「これからの日本のリベラルアーツ教育をバックアップする書庫」であり、そこに知的資産の恐るべき〝埋蔵量〞が維持されているのだ。
矢口書店は創業97 年の老舗。建物に“ 長屋時代” の看板建築の名残があり、神保町の名所の一つになっている。
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