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(右)ドイツ空軍用に開発されたコックピットクロック「Nabo 17 ZM」を着想源とするモデル。オレンジの秒・分積算針で視認性を高めたクロノグラフ機能を搭載。自動巻き、ケース径45㎜、SSケース×カウレザーストラップ、20気圧防水、6月発売予定、880,000円。(左)ブランド創立60周年記念モデル。60周年にちなみ12時位置の60を赤色蛍光塗料仕上げに。自動巻き、ケース径41㎜、SSケース×SSブレスレット(ブラックシリコンストラップ付属)、20気圧防水、世界限定600本、6月発売予定、638,000円。
信頼性に捧げた60年の証し
Text Yasushi Matsuami
精密にして厳格、虚飾を排した実用性、質実剛健―。ドイツ製品にはそんなイメージがある。それを“地”でいくウォッチブランド、ジン。“極限的状況でも最高精度を保証する”ことをモットーに、パイロットを始め、ドイツ警察特殊部隊、アルプス航空救助隊救急医などからの信頼もかちえてきた、60年の歴史に恥じない新作が登場した。
ドイツ軍パイロットで飛行教官も務めたヘルムート・ジン氏が、フランクフルトに「ジン特殊時計会社」を設立したのは1961年のことだ。自身の経験を生かしたコックピットクロックやパイロットウォッチなどで評価を確立。一例が、ミニッツカウンターをセンターに配置したコックピットクロック「Nabo 17 ZM」。70年代後半に独空軍用に開発され、現在も多機能戦闘機トルネードが採用する。完成度の高さがうかがえる。

 これを着想源とする新作が「717」である。クロノグラフの秒・分積算計をセンター方式化。高い視認性はもちろん、オリジナル譲りのタフな計器然とした表情もいい。

 ケースには、一般的なスチールよりも耐久性、耐腐食性に優れた904Lステンレスを採用。さらに、ジン独自の表面硬化処理技術テギメントとPVD加工を組み合わせたブラック・ハード・コーティングにより、セラミックと同等以上の耐傷性を実現。またケース内の除湿のため、ドライカプセルの挿入やプロテクトガス充填などによるArドライテクノロジーも採用され、信頼性を高めている。
 
60周年を祝う「144.ST.S.JUB.Ⅱ」もジンらしさにあふれた一本。「717」と同様、ブラック・ハード・コーティングの904Lケースや、Arドライテクノロジーも採用。精悍な存在感を技術力が支えている。

 2018年に惜しまれつつ鬼籍に入った創業者の魂が、後継者たちに受け継がれていることを雄弁に物語る2モデルである。

●ホッタ TEL03-5148-2174 www.sinn-japan.jp
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