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13.  Montepulciano d'Abruzzo 1998 Emidio Pepe
著しく官能的なワイン。大金をはたいてでも飲みたいというワイン好き多し。造り手のエミディオ・ペペは木の香りが移るのを嫌い、セメントタンクを使う。30年ほど熟成するとすばらしい味に。
14. Montepulciano d'Abruzzo 2006 Valentini
入手困難なイタリアワインの1本。17世紀から続くワイナリーで、先代エドアルド・ヴァレンティーニの時代に名声は不動なものに。10~20年かける長期熟成型。レストランで発見したら飲む価値あり。
15.  Torgiano Rosso Riserva “Rubesco Vigna Monticchio”1975 Lungarotti
イタリア中央部ウンブリア州を代表するルンガロッティ社が、サンジョベーゼ主体で造るワイン。同地方の規則では2~3年でリリースしてよいが、同社では当時10年は熟成させていたなど、大いにこだわりを見せた。
16. Kurni 2004 Oasi degli angeli
アドリア海に面したマルケ州において、モンテプルチアーノ種の可能性を強く感じさせるワイン。このブドウ独特のスパイシーさなどの強い個性をうまく調整。うまみたっぷりの凝縮感を実現。
エトナのワインが人気上昇中
内藤氏の提案は、まさにワインの究極の楽しみ方だ。
 もうひとつ、ワインと料理の大変有意義な味わい方がある。
 料理を前もって決めて予約しておけば、料理ごとに合うグラスワインを出してくれるサービスも用意されている。
「このサービスを利用なさっているゲストはけっこういらっしゃいますね。夏はシチリア料理、秋から冬にかけてはピエモンテ州の料理のご要望が多いです。シチリアのワインに、鹿料理は合いません。逆に、最近のシチリアの、エトナ火山のふもとで造られるネレッロ・マスカレーゼ種のワインは、ワイン好きに大変人気があります。この場合、ワインをまず選んで、それから料理というのもいいかと思います」
 今イタリアのワインメーカーは、新興市場での需要を喚起することを目的に、いわゆるDOCG、イタリアの格付けで統制保証原産地呼称ワインを指す認証を獲得することに躍起になっているとも聞く。
 しかし、イタリアのワインの本質は、この章で述べてきたように、最高の料理を堪能させてくれるところにあると言える。
 ヘミングウェイの話に戻るが、『武器よさらば』では、主人公が恋する女性とミラノのホテルのレストランに入る場面も描かれる。
 戦時中だからソムリエがいない、とわざわざ書いた上で、主人公たちにワイン付きの食事を楽しませたあと、「『ワインってやつは偉大だな』と、ぼくは言った。『いやなことはみんな忘れさせてくれるもの』」(高見浩訳)という一節を設けている。おそらく酒を愛したヘミングウェイ自身の感想だろう。
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