
食語の心 第14回
作家 柏井壽
初めて訪ねた地方都市。さて、ここで、いかにして美味しい店と出会うか。その探し方、見つけ方は存外難しい。
一般的にはグルメガイドブックを参考にするだろうが、最近ではネットの口コミサイトが最も活用されているようだ。
どちらも当てになるようで、実はハズレも少なくない。これらは、あくまで一つの目安であって、実際には歩いて見つけるのが一番。
ガイドブックというものは、おおむね東京の出版社が作っている。が、いちいち現地取材に出掛けていては経費倒れになってしまうので、現地のライターやリサーチャーに頼って作ることになる。いきおい、店の空気も分からないまま、ビジュアルに頼った誌面作りになる。
一方で口コミサイトの書き込みは、そのレビュアーが、どの程度の経験値があるのか、どんな好みなのか、まったく分からない。よほど好みが合えばいいが、信頼度は低い。
加えて、最近のブログは、無料招待されて宣伝紛いのことを書いている場合もあるから、さらに信用できない。
とある、食や旅を紹介するブログ。そこに書かれていた一泊の旅。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのあるホテルチェーンに泊まって、部屋も食事も、何もかも大絶賛。いくら何でも褒め過ぎだろうと思って、よく見たら、一番最後に、拡大しないと読めないような、至極小さな文字で「◎◎ホテルのPR活動に協力しています」と書かれている。
つまりこのブログ記事は広告なのだ。当然ながら広告にネガティブなことは書けない。実際には美味しくなかったとしても、美味しかった、と書かねばならない。
一般的にはグルメガイドブックを参考にするだろうが、最近ではネットの口コミサイトが最も活用されているようだ。
どちらも当てになるようで、実はハズレも少なくない。これらは、あくまで一つの目安であって、実際には歩いて見つけるのが一番。
ガイドブックというものは、おおむね東京の出版社が作っている。が、いちいち現地取材に出掛けていては経費倒れになってしまうので、現地のライターやリサーチャーに頼って作ることになる。いきおい、店の空気も分からないまま、ビジュアルに頼った誌面作りになる。
一方で口コミサイトの書き込みは、そのレビュアーが、どの程度の経験値があるのか、どんな好みなのか、まったく分からない。よほど好みが合えばいいが、信頼度は低い。
加えて、最近のブログは、無料招待されて宣伝紛いのことを書いている場合もあるから、さらに信用できない。
とある、食や旅を紹介するブログ。そこに書かれていた一泊の旅。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのあるホテルチェーンに泊まって、部屋も食事も、何もかも大絶賛。いくら何でも褒め過ぎだろうと思って、よく見たら、一番最後に、拡大しないと読めないような、至極小さな文字で「◎◎ホテルのPR活動に協力しています」と書かれている。
つまりこのブログ記事は広告なのだ。当然ながら広告にネガティブなことは書けない。実際には美味しくなかったとしても、美味しかった、と書かねばならない。
