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(上)夜の宝物殿。(左)王家の墓が続く。(右)山頂の神殿。
キャンドル・ライトが誘う夜のペトラ、
時空を超えた神殿の声を聴く
「宝物殿」は、広大な遺跡の都、ペトラのほんの始まりにすぎない。その起源は紀元前に遡り古代ラブ民族ナバタイ族の築いた交易の都だ。砂漠にありながら優れた給水システムを備え、3世紀には人口が2万人を超えていたという。やがてローマ帝国に併合され紀元4世紀の大地震で壊滅、6世紀には廃墟の町となった。  
 後に、砂漠の遊牧民であるベドウィン族が一部に暮らすようになり、彼らが今日世界的な観光地となったペトラで、商いやガイドなどを務めている。週三夜、蝋燭でライトアップされた宝物殿の広場で、ミント・ティーとベドウィン族の昔語りと音楽が楽しめる。闇の中に浮かび上がるペトラは不可思議な、時空を越えた存在に。
 円形劇場、王家の墓、コラムが数本残された中心街、そして八百段の階段を上った山頂にある神殿などの遺跡が続く。歩き疲れたらベドウィン族がロバやラクダに乗せてくれるが、砂漠の民との巧みな交渉力がないと、高い運賃となる。
 都市遺跡でありながら、ペトラに残されているのは大半が墓だ。それはナバタイ人が、生活する家以上に死後の魂の住まいを重視したからだという。思えば古代遺跡は墓が多い。そうして、古代の墓に宿る人々は我々に何を伝えようとしているのか。その声を聞く一つの手がかりを、考古学というのだろう。
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